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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2008年8月16日 (土)

歯科医院でのメインテナンス

本日は、マガジンハウスより出版された「歯周病とインプラント歯科治療最後の選択」よりお届けいたします。

歯科医院でのメインテンス

どんなに丁寧にセルフケアをしていても、歯の裏側や歯と歯の隙間、歯肉の内側の見えない部分など、歯磨きの行き届かないところが出てきます。自分で出来ないところは、定期的に歯科医院でメインテナンスをしてもらいましょう。

メインテナンスの時には、歯や歯肉の状態に異常がないかもチェックしてもらいます。メインテナンスの時は、治療後の状態を保つためと、虫歯や歯周病を予防するためでもあります。プラークや歯石のクリーニングだけでなく、自分では気が付かない病気の有無をチェックしてもらうことが大事です。治療後、不安な点があれば、歯科医師やスタッフなどに相談をしましょう。

特にインプラント周囲炎は発病していても、外見からはわからないことが多いので、歯科医院でのチェックは欠かせません。最近は、デジタルカメラで口の中を撮影し、診断用のチェアに座ったまま、モニターで写真を見せて、現状の説明をしてくれる歯科医院もあります。

◇自分で出来ない時はプロの手を借りる

治療後しばらくしは、きちんとセルフケアを行い、定期的にメインテナンスに通っていた人でも、仕事が忙しかったり、体調をくずしたり、セルフケアがきちんと出来なくなることもあります。そういうときこそ歯科医でのメインテナンスが必要なのですが、逆に「さぼってしまったから怒られるのでは」と思って気分的に行きにくくなったり、メインテナンスに行くのがおっくうになる人もいます。

そのまま放っておいては危険です。ためらわずに歯科医院でプロに清掃してもらいましょう。

◇歯科医院専用の防具でしっかりとクリーニングを

歯科医院で歯科衛生士が行う清掃は「PMCT」(Professional  Mechanical  Tooth Cleaning)と呼ばれ、専門の器具が使われます。PMCTでは、細かいところの歯石を取り除く器具や、歯肉溝の汚れやコーヒー、紅茶、たばこのヤニなどの着色汚れを取る器具など、様々な器具を使います。

また、プロ仕様の研磨剤やフッ素配合のジェルを用いるなど、自宅では出来ないケアが歯科衛生士などの手によって受けられます。

プロにキレイにしてもらった口の中は、とても爽快で気持ちのよいものです。メインテナンスは、この爽快感を味わいに行くためのもの、と考えてみてはいかがでしょうか。定期的に行くには、メインテナンスを終えたら、会計時に次回の予約をするのがコツです。

参考文献 歯周病とインプラント エグゼクティブのための歯科治療、最後の選択! マガジンハウス

2008年8月11日 (月)

歯磨きのヒント3

本日も青山先生の著書よりお届けいたします。

☆歯周病を防ぐ歯磨きポイント

①ある程度の時間をかける

ある程度の時間とは、何分という絶対的な時間を意味することではありません。TVを見ながらとか、お風呂に浸かりながらでもいいので、何かをしながらのこととしてながらブラッシングをする事をおすすめいたします。

一日に一度は、十分な時間をブラッシングに割いて欲しいですね。その際には、歯磨き粉をつけ

ずに、毛先で歯肉をマッサージするつもりで磨いてください。

②歯と歯肉の境目に歯ブラシを45度に当てる

歯周病は100%歯と歯肉の境目から発生します。したがって、その部分の汚れ(プラーク)を取り除けば、歯周病にはならないです。歯ブラシの毛先をその部分に当てて、小刻みに歯ブラシを振動させて磨いてください。

③歯間ブラシがデンタルフロスを使う

歯ブラシだけでは一日中磨いたとしても、歯と歯の間の汚れを取り除くことはできません。そこで、その部分の汚れを取り除くために、歯間ブラシかデンタルフロス(糸ようじ)が必要になってきます。

これらが日常的に使えるようになるまでには時間がかかるかもしれませんが、何事も慣れるまでの辛抱です。慣れてしまえば、たいしたことはないのですが、習慣になるまで少しの間がんばってみてください。

☆どんな歯ブラシがいいか

歯科医院で、予防の説明を受ける際、一番最初に受ける説明が歯ブラシの選び方でしょう。“弘法筆を選ばず”ということわざはありますが、正しいブラッシングをするためには、適切な歯ブラシを選ぶことはとても大切なことです。

①小さめな歯ブラシをつかう

歯ブラシが大きいと、歯と歯肉の境目の細かい箇所に毛先が当たらなくなってしまいます。ブラッシングで大切なことは、汚れの溜まりやすい箇所に毛先を当てて振動させることです。そのためには、どうしても小さめの歯ブラシを使うことが大切です。

具体的には、横に四列以上の毛が並んでいる歯ブラシは使わないほうがよいでしょう。歯周病の人なら、一列や二列の特別な歯ブラシを使う場合もありますが、一般的には、三列の歯ブラシを使います。

②歯ブラシの硬さ

歯ブラシの硬さは、健康な歯肉の人なら、普通か堅めが良いでしょう。しかし、歯周病が進んでいる人は、初めは軟らかめの歯ブラシで歯肉を十分にひきしめておき、出血がなくなってきたら普通の硬さに戻すのがよいでしょう。

③歯ブラシの交換の時期

歯ブラシは消耗品である以上、適切な時期に交換する必要があります。人によって交換する目安は違うかもしれませんが、一ヶ月に一度は新しい歯ブラシに変えて欲しいです。毛先の弾力性がなくなってしまっているものを使っていると、汚れを取り除く歯ブラシの能率が落ちてしまいます。

新しい歯ブラシに替えたときに、歯肉に傷をつけて、ブラッシングが痛く感じるようなら、歯ブラシの交換時期を長引かせずたと思ってもよいでしょう。

参考文献 よくわかる家庭の歯学 青山健一著 桐書房

2008年8月10日 (日)

歯磨きのヒント2

昨日に引き続き、青山先生の著書よりお届けいたします。

☆どこを磨けばいいのか

ブラッシングはただやみくもに磨いていればいいというわけではありません。磨かないといけない部分、逆に言えば磨き残しの多いポイントというのはだいたい決まっています。そこをよく磨くことが大切です。

①奥歯ほど時間をかけて丁寧に

食事の時にはほとんど奥歯を使いますので、汚れの大半は奥歯にこびりついています。しかし、多くの人は、磨きやすく、見た目の気になる前歯ばかりブラッシングの時間をかけがちです。奥歯あっての前歯です。奥歯は家にたとえれば土台に当たる所なので、奥歯がダメになれば、前歯もそのうちダメになってくるのです。

②金属の大きい被せ歯ほど時間をかけて磨く

多くの部分を削って被せている歯は、人間の体の中で一番硬いエナメル質が削られ、その下にある軟らかい象牙質が、接着剤のすぐ下にさらけ出されている状態になっています。したがって、その接着剤が溶け出したり、隙間が出来てしまうと、軟らかい象牙質は、あっという間に虫歯が進行してしまいます。ですから、表面のエナメル質が大きく削られている歯ほど、時間をかけて丁寧に磨かなければなりません。

③神経の無い歯ほど時間をかけて磨く

歯の神経を取った歯は、血液による栄養補給が出来ないので、年々弱ります。歯が弱くなれば、当然虫歯にもなりやすくなります。それを補うためには、十分なブラッシングが大切です。しかし、患者さんは、どの歯の神経をとったかは案外覚えていないものです。そこで、金属やセラミックで被われている歯は、神経を取った可能性が高いので、そういう歯に時間を十分かけてください

④歯と歯肉の境目をよく磨く

ブラッシングで一番大切なのは、この歯と歯肉の境目をいれいに磨くことです。極論すれば、この部分さえよく磨けていれば、歯の表面などはどうでもいいのです。歯の表面のようなツルツルした所には汚れは長い間停滞しません。そういう汚れは簡単に取り除けるのです。ブラッシングの究極のテーマは、この歯と歯肉の境目をよく磨くことなのです。

明日に続きます。

参考文献 よくわかる家庭の歯学 青山健一著 桐書房

2008年8月 9日 (土)

歯磨きのヒント1

本日は、青山先生の「よくわかる家庭の歯学」よりお届けします。

☆人間だけがするブラッシング

以前患者さんから、「人間はブラッシングをするようになったから、虫歯や歯周病の菌に対する抵抗力がなくなってきたのではないか」と質問され、考えさせられたことがあります。

人間は動物の一種なのに、人間だけがなぜブラッシングをするのでしょうか。この患者さんへの答えのポイントは二つあります。

一つ目は、時代とともに、食べ物があまり噛まなくてもいいような軟らかいものになってきているということです。火さえ使わない時代や、包丁などのない時代には、歯が包丁がわりになって、硬いものも歯で噛みきっていました。この硬いものを歯で噛みきるという行為が、今のブラッシングと同じ役割をして、歯の表面についたプラーク(細菌)を取り除いたり、歯肉のブラッシングと同じ役割をして、歯の表面についたプラーク(細菌)を取り除いたり、歯肉をマッサージする効果があったのです。

それが、時代とともに食べ物が軟らかくなってきて、歯の表面にプラークもつきやすくなり、ブラッシングをしないと細菌だらけの状態になってきてしまったのです。

その証拠に、犬や猫がドッグフードのような軟らかい食べ物を食べるようになり、歯周病になり始めているのです。犬や猫でさえ、本来の硬い食べ物を食べていれば防げたであろう病気を、軟らかい食べ物が主食になると、人間と同じ病気になってしまうのです。

二つ目は、昔は人生50年といわれ、今よりも人生が短かったので、食べ物の硬さの効果と併せて、それくらいの期間はどうにか歯を持ちこたえる事が出来たのです。

しかし、今では平均寿命でさえ80歳を超える時代ですし、食べ物も軟らかく歯に付着しやすいですから、一年でも長く自分の歯で生活していくためには、ブラッシングはどうしても欠かせなくなってしまったのです。

☆食後すぐの歯磨きはあまり意味がない

私が学生のころ、食後3分以内に3分以上のブラッシングを一日3回しようという「3.3.3運動」を習いました。そしてそれをそのまま患者さんに勧めていた時代がありました。しかし、これはあまり意味のないことだったのです。その理由について述べます。

①食後3分以内のブラッシング

食事や間食などをすると口の中が酸性になるので、食後なるべく早くブラッシングをするべきだという考えから3分以内にブラッシングをしようとすることが言われるようになりました。この理屈には一理あります。口の中はお茶や水で軽くゆすいだり、ガムなどによる唾液でも中性に近づきます。早くブラッシング出来るなら早いにこしたことはないのですが、食後3分以内に歯を磨くことは現実には不可能な場合が多く、そんなに神経質になる必要はありません、食後早く磨くことができるなら磨いた方がいいというぐらいの気持ちでいいでしょう。

②3分以上のブラッシング

このことに関して否定するつもりはありませんが、より深く理解してもらうためあえて言えば、磨くべき箇所ではなく歯の表面ばかりを何分磨いても無意味なことを理解しておいてください。学校の試験で例えると試験によくでる問題を能率的に短時間勉強する人と、ほとんどでないような箇所ばかりを長い時間かけて勉強する人とでは、どちらのほうの点数が高いかは明らかでしょう。

試験勉強でこんなに非能率的なことをする人はほとんどいないのに、ブラッシングに関してはこのような非能率的なことをしている人がほとんどで、いくら磨いても虫歯になるからと、電動歯ブラシを買ったり、歯磨き粉を変えたりされるのですが、本当に磨くべき箇所を理解してさえいれば、短時間のブラッシングでも十分な虫歯予防は可能なのです。

③一日3回のブラッシング

これに関しても、3回ブラッシングをすることはいいことであり、何も問題ありませんが、一日3回ブラッシングをしないから虫歯や歯周病になるわけではありません。プラーク(歯の細菌)が歯石のように歯ブラシで除去できない状態になるには24時間以上かかるといわれています。

したがって、同じ箇所だけを適当に一日3回磨くよりは、たとえ一日一回でも隅々まで細かく磨く方が断然効果的なのです。②③でも述べたように、時間や回数が問題なのではなく、どの箇所をどういうふうに磨くかが重要なので、その知識を得るために歯科医院をどんどん利用するべきです。

参考文献 よくわかる家庭の歯学 青山健一著 桐書房

2008年4月27日 (日)

赤ワイン用ブドウに口腔細菌阻害効果が期待

本日は、デンタルトリビューン紙2008年4月号からお届けいたします。

赤ワイン用ブドウに口腔細菌阻害効果が期待される

(米国)赤ワインの原料であるブドウに含まれる化学物質が、細菌による齲蝕の形成を妨げる可能性があることが、ロチェスター大学医療センターのイーストマン歯学准教授Hyun Koo氏らの研究チームによって発表されました。

この化学物質とは、圧搾後に不要となったブドウの種と皮が発酵して生じたポリフェノールの一種であり、細菌による全身性感染症の発症も阻害する可能性もあります。

ミュータンス連鎖球菌へのポリフェノールの影響を検討

本研究は、フィンガーレイクス地方のワイン醸造所の強力を経て、ワイン用ブドウに含まれる化合物が口腔衛生に与える影響について検討することを目的としています。

2005年12月には農務省が、口腔細菌に対するブドウポリフェノールの影響の研究のために、研究チームに対し助成金を交付しました。

赤ワイン用のブドウに含まれるポリフェノールの構成と、そのミュータンス連鎖球菌阻害能について分析が行われ、ミュータンス連鎖球菌のグルコシルトランスフェラーゼ(糖転移酵素)分泌能に対するブドウポリフェノールの作用について検討しました。

グルコトランシルフェナーゼは糖質で、糊のような物質(グルカン)を生産する酵素で、酸性されたグルカンは歯の表面に菌を付着させ、細菌叢の周りにバリアを形成します。

細胞外多糖類基質の形成を阻害し悪玉菌を無害化

このバリアは、細胞外多糖類(ESP)基質と呼ばれ、ミュータンス連鎖球菌を口腔内環境から守り、抗生物質に対する耐性を著しく増強します。本研究が焦点を当てたミュータンス連鎖球菌の2番目の特性は、酸の分泌能とその酸のなかで生存する能力です。ミュータンス連鎖球菌は耐酸性で、酸性の口腔内でもほかの菌を凌いで生き残れることが出来ます。

Hyun Koo氏は「この化学物質は、ワインの醸造過程で出来る廃棄物に含まれており、悪玉細菌を無害化します。新しい洗口剤の開発にもつながるため、われわれはこの物質の単離を目指しています」と述べます。一方で同士は、ほとんどの食物には、口腔衛生にとって良い化合物と悪い化合物の両方が含まれるとして、「口腔細菌に効くからといって、必要以上に多くのワインを飲むおは薦められない」と注意を促しています。

2008年1月29日 (火)

虫歯はこうして出来る2

昨日の続きです。本日も丸橋賢先生の著書「歯で守る健康家族」からお届けいたします。

虫歯予防の基本

①家族を予防の拠点に

約30年前、東京の中心部の開業医に勤務していたとき、その周辺の子供の虫歯が極めて少ないことに気づきました。

治療に来院する子供を診ると、虫歯が1本だけといった例がほとんどで、ブラッシングも良くなされていて歯も歯肉もとてもきれいなのです。

なるほど、住民の衛生意識の高さの程度に虫歯は少なくなるのだ、と私は理解しました。

その周辺は大企業の本社が多く、住民の衛生意識も高いらしく、子供を連れてくるお母さんの態度もとてもきちんとしていました。

当時の日本は、子供の口のなかは虫歯だらけで、とくに地方ではみそっ歯(ランパントカリエス)といってほぼすべての歯が急速にみその様に腐ってしまう虫歯も見られたのです。そのような状況の中で、都心に住む子供たちの虫歯の少なさ、口腔内の清潔さには驚きに値しました。

将来の虫歯予防の一つの方向性も示唆していました。生活の向上とともに衛生意識や健康観が向上することが大切なことがよく分かったのです。それから現在まで、日本の子供達の虫歯も少しずつ減少傾向をしめしています。

しかし、日本の中でも口腔衛生思想の教育活動の熱心さや普及程度により、子供の虫歯普及率は地域によって大きな差があります。平成7年度の群馬県内の1歳6ヶ月児検診データを見ると高崎市では4.3%でしたが、ある農村では36.4%にもなっています。高崎市では、保健所を中心に予防活動が熱心に行われ、その成果が上がっているといえます。

1歳6ヶ月児では虫歯のある子供ほんの少数で、親がほとんど注意せずに育てている場合に限られます。この時期に36.4%の子供に虫歯があったら、3歳児検診時にはほぼ全員が虫歯になってしまうと心配です。

1歳6ヶ月児で4.3%しか虫歯がない高崎市ですら、3歳児のときは41%の子供が虫歯になっているのです。そして就学児童検診では、虫歯のない子供は、ほんの少数しか見られなくなるのです。

前述したようにしっかりした衛生意識をもつ家族の住む地域では虫歯は極めて少ないのです。お母さんを中心に理解を深め、家族単位で予防の拠点作りをすることが大切だと思います。

②虫歯の少ない北欧に学ぶもの

ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどでは虫歯は極めて少なく、子供は皆美しい歯をしております。北欧で虫歯の少ない理由の第一は、土曜日をお菓子の日を決めていて、他の日に甘い物を子供に与えない節度ある習慣にあると思います。

日本では親の教育的態度が確立しておらず、子供を甘やかしたり放任したりしてお菓子を節度無く与えてしまいがちです。

理由の第二は、自然の恵みをそのまま食べる食生活にあります。ジャガイモ、パンを主食とし、魚、肉、野菜などを食材の形が残っているような調理で食べます。自然そのものを食としていれば、体も歯も丈夫になり、虫歯にもなりにくいのです。

第三は健康教育が充実していることです。保健衛生教育、福祉、医療などが充実していることでは有名ですが、衛生意識レベルは相当高く国民に浸透しています。

残念ですが、戦後急速に経済発展を遂げた日本は、物資的には豊かになったものの、国民の健康思想などの立ち後れは明らかで、まだ途上国と考えなければいけないでしょう。

フッ素やキシリトールの使用が虫歯を少なくしていると主張している人がいますが、これは間違いです。それよりずっと昔から北欧の虫歯は少ないのです。キシリトールなどは最近売り出されたばかりです。

③文化的に成熟した家族・民族になろう

私は40カ国あまりをみて回りましたが、虫歯をはじめとする歯科疾患が少ない国は、次の二つのいずれかに属します。

未開民族などに見られるまだ昔からの食や暮らしがあまり変化していない民族や国かまたは長い歴史を経て成熟した文化を築いた国です。

マサイ族やモンゴルの遊牧民、中国の少数民族などが前者に属し、ヨーロッパ諸国が後者の代表です。

物資文化や経済ばかり発展し、文化的成熟が追いつかない国では虫歯が多く、健康的な問題も多く見られるのです。日本、アメリカ、ブラジルなどがその代表で、中国や東南アジア諸国がその仲間に加わりつつあります。

このような現実を考え、日本の地域格差を比較検討すると、私たちがまず始めるべきことは、家族という小世界の文化的質を高め、健康観を充実させていくことであると考えるのです。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋 賢著 現代書館

2008年1月28日 (月)

虫歯はこうして出来る1

本日は、丸橋賢先生の著書「歯で守る健康家族」からお届けいたします。

虫歯はこうして出来る

現代の日本人は、中学生で90%以上の人が虫歯をもっています。他の国と比べ、日本人は虫歯が非常に多く、見た目にも汚い歯をしている民族だと思います。文明国でもヨーロッパなどでは、かなり美しい歯をしていますし、特にノルウェー、スウェーデンなどでは、口元に虫歯が見える人はほとんど見かけません。

このように虫歯の多い日本人も人類学者の研究によるとほとんど虫歯が無かったのです。それが食生活の変化、特に砂糖の摂取量の増加に比例して、虫歯が急増して閉まったのです。

面白いグラフがあります(興味のある方は、本書P48を参照してください)。日本における砂糖の消費量の推移と虫歯罹患率を示したグラフですが、砂糖の消費量と虫歯の罹患数が見事に比例していることがわかります。昭和17年頃から砂糖の消費量が急降下している時期があります。

戦争のために砂糖の消費量が低下したのですが、その時期、虫歯の急減していることが分かります。

①細菌が砂糖を分解すると酸ができ、この酸が歯を溶かして虫歯を作る

虫歯できるためには、細菌と砂糖(蔗糖)が必要です。口腔内にはたくさんの細菌が存在します。細菌は、何かを食べて生活しますが、口腔内には様々な食べかすが残っていて、それらを食べ、発酵させます。発酵の産物として乳酸などの酸もできますが、特にニュータンスなど一部の菌が砂糖を発酵させると、酸がたくさんでき、この酸がエネメル質を溶かして虫歯が出来るです。

歯はとても強いもので、特にエナメル質は自然界でダイヤモンドの次ぎに硬く、とても丈夫です。しかし、弱点があり、酸には溶かされやすいのです。

エナメル質は、主にカルシウムをたくさん含みますが、このカルシウムが酸に溶かされやすいのです。カルシウムが酸に溶かされることを脱灰といいます。

エナメル質が溶かされ、穴が象牙質に達すると、象牙質は有機成分が多く、ここに様々な細菌がとりつき、有機質を腐敗させ、虫歯は急速に進行します。

硬いエナメル質よりも軟らかい象牙質で虫歯は速く進行するため、虫歯は外見上の入り口は小さく、中で大きく進行します。

糖分には砂糖のほかにブドウ糖、果糖、乳糖などがありますが、虫歯つくる力がもっとも強力なのは砂糖で、他の糖はかなり弱くなります。ですから甘いものを食べたいときは、果物などを食べた方が虫歯になりくいのです。

以上の様に虫歯が出来る原理を知れば、虫歯を予防するポイントを知ることになります。虫歯予防にちては後で詳しく述べますが(明日以降)、まず、食生活に注意して硬く丈夫な歯を作ること、砂糖を食べ過ぎないこと、細菌が多くならないように食後に正しいブラッシングを行うこと、が三大原則になります。

②虫歯はこうして進行する

歯は中心に神経(歯髄)その上に象牙質、そして表装にエナメル質という構造をしています。歯冠部の表層は硬いエナメル質で覆われ、その内部は有機質が多く、軟らかい象牙質となっています。そして中心部には血管や神経があり、歯髄と呼んでいます。

脱灰の程度が軽く、虫歯がエネメル質にとどまっている物をC1 といいます。C1では無症状で、しみることもありません。また、C1も軽いうちならば、予防を徹底すれば再石灰化が起こり、虫歯の進行が止まったり、治ったりすることもあります。

虫歯が象牙質に達したものをC2といいます。C2も軽いうちは、しみたりする症状もありませんが、深部に達してくると冷たいものや甘いものを飲食した時、しみるようになってきます。

この状態では虫歯はかなり歯髄に接近しています。削って充填したり、金属冠などを被せたりするのみで治せるのはこの進行程度までです。

C2もさらに歯髄に接近すると冷たいものでなく、熱いものの飲食でもしみるようになります。こうなると特殊な歯髄保護処置をしないと歯髄を助けられなくなる場合もあります。

さらに放置すると、虫歯は歯髄に達します。そうすると歯髄が細菌に感染し、炎症を起こし、歯痛が始まるのです。最初は軽いこの痛みを放置するとまもなく、あのズキンズキンとうずく、激しい痛みになってしまいます。(この状態をC3といいます)

こうなるともう抜髄(神経を取る)しかなくなるのです。これでも治療せずに放置すると歯冠部は崩壊し、歯根しか残らないC4の状態となります。こうなると歯根の中心の穴(根管)を通って細菌が顎骨に達し、腫れ上がることになります。虫歯の各段階で治療方法はことなりますが、それは後でまとめて説明します。

あすへ続きます。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋 賢著 現代書館

2008年1月24日 (木)

口腔ケアで命を救う

本日は東京都立駒込病院歯科口腔外科部長である茂木伸夫先生の著書「歯医者さんにかかると寿命が延びる」から予防の大切さについてお伝えします。

☆口腔ケアで命を救う

日本口腔ケア学会会長の鈴木俊夫先生のお話からですが、「8020運動で表彰された患者さんが体調が悪化して一時寝たきり状態になったため、介護認定を受け、訪問看護で栄養指導も受けるようになりました。患者さんは寝たきり状態になっても《歯磨きと歯石除去》を忘れずに訴え、家族から訪問歯科診療の要望により数回の訪問診療後、体調も好転し再び通院できるようになった。」そうです。

訪問歯科診療と訪問介護のケアの的確なコンビネーションが命を救ったのだと思います。

☆肺炎も降参、口腔ケア

重症な入院患者さんをお見舞いに行って少し話しを聞かされた時、患者さんの口の周辺に何か腐敗臭を感じた経験はございませんか。

おそらく、このアンモニア様のにおいが口のケアをしていないときににおいかと思います。

これは口を清潔に保ち、保湿などに気をつければ、におわなくなると思います。口のケアを怠りますと肺炎、ここ数年、言われています誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)になってしまうかもしれません。

誤嚥性肺炎というのは、本来気管に入ってはいけないもの、例えば食べ物の残りかすなどが気管に入り肺炎を起こすものです。

口や気道で繁殖していた細菌を含む唾液や分泌液や胃液などが気管に入り、その結果、肺炎を起こしてしまいます。誤嚥性肺炎を起こさないためにも、しっかりとした口腔ケア対策が必要であると思われます。

米山武義先生らは「要介護高齢者における2年間の肺炎発生率を調べ、要介護高齢者366名のうち182名の口腔ケアを受けなかった患者さん(平均年齢82歳)のうち34名(約19%)が肺炎を発症し、184名の口腔ケアを受けた患者さん(平均年齢82歳)のうち肺炎を発症したのは21名(11%)であった」と報告しています。

口腔ケアを行ったことでの肺炎発症率がかなり減少していることがわかりました。

☆口腔ケアでは免疫力アップ

中年のある患者さんが都立駒込病院に来院してきた時には、すでに多くの歯が重症の虫歯になっていまして、残せる歯は上顎の前歯2本だけでした。

結核で療養中に調子が悪くなり、歯も磨けなかったそうです。残り2本の歯は十分に大切にするように口腔清掃の歯を全部抜歯いたしまして、義歯を入れました。

今では何でも食べられると喜んでいます。早く歯医者さんに行けば良かったと言っていました。口腔ケアは、口の中の清掃だけでなく、きちんとものが噛めることが出来るまでケアしています。

参考文献 歯医者にかかると寿命が延びる 茂木伸夫著 愛育社出版

2007年12月23日 (日)

生活の中の口腔衛生3

昨日の続きです。

ブラッシングによる清掃法

機械的清掃法とは、歯垢や舌苔(舌背表面の粘着性の汚れ)を、機械的に取り除こうというものであり、歯ブラシを用いる方法が主となります。補助的手段として、デンタルフロス、歯間ブラシなどを用います。

歯科医院で行うPMCT(プロフェッショナル・トゥース・クリーニング)も、この延長線上にある、非常に効果の高い方法の一つです。

現在まで、最も歯垢除去効果の優れたブラッシング法はバス法であり、多くの歯科医院において成人にはバス法を中心に指導していますが、操作が難しく、マスターするまでには歯科医院にてブラッシング指導を受ける必要があります。

1)歯ブラシの選択

最近では電動歯ブラシについての質問が多く「使って良いものか」あるいは、「何を使えばよいか」と聞かれます。

著者も朝・昼のブラッシングには電動歯ブラシ(厳密には音波歯ブラシ)を使っており、電動歯ブラシを否定するものではありません。著者のクリニックでは、以前に市販電動歯ブラシの一覧表を作り、推奨できる製品をリストアップしたことがありますが、電動歯ブラシのモデルチェンジが早く、中には同一の製品名で全くシステムが変わってしまうものも見受けられました。

したがって、現在はどれがよいかといったアドバイスは出来ないのが実状です。著者は、朝、昼を人前に出るためのエチケットとしての歯口清掃、夜を一日使用した歯・歯肉をケアするための歯口清掃と2種類に分けて考えています。

その意味では、エチケット用のアイテムとしては利便性が高いのです。ただし、一日一回は、手用歯ブラシとともに、デンタルフロスか歯間ブラシ、さらに洗口剤まで使用して手入れする必要があります。

デンタルフロスの効果は、歯ブラシとの併用で90%の歯垢除去率があります。

また、最近は、ティートリー(オイル)、ペパーミント(フレーバー)などフレーバー付きやエッセンシャルオイルを含有させたフロスが多く市販されるようになり、むしろ香りのないタイプのほうが少数になりました。

参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一著 フレグランスジャーナル社

2007年12月22日 (土)

生活の中の口腔衛生2

昨日の続きです。

口腔衛生の種類と実践

成書によれば、口腔衛生とは「歯と口腔の疾病を予防して、それらの健康を保持増進し、間接的に全身の健康を保持増進することを目的とすること」とあり、実際に口腔の健康を保持増進するための方法を、我々は歯口清掃と呼称しています。

歯口清掃とは、歯科疾患あるいは口腔経由疾患の予防のために、口腔内で行われる総ての処置を意味します。歯口清掃の方法は以下の様に分類します。

  • プラークコントロール(う蝕、歯周病の予防)1)自然清掃法2)機械清掃法3)化学清掃法
  • 含嗽(口腔、咽頭の清掃、予防)
  • 消毒・外用薬(口唇、口内炎の治療)

今回は、プラークコントロールの機械清掃法までお伝えします。

「スローフード運動」の歯科的効果

自然清掃法とは、咀嚼、唾液などと共に、飲食物による清掃作用がこれに含まれます。最近活発になってきた運動で、「環境白書」も推奨している「スローフード運動」などは、運動の主旨とは異なるが、歯科的な見地からは、まさにこの清掃性を合致しています。

「食事くらいはゆっくり食べましょう」というスローフードの提案は、健康のためだけではなく、環境に負担をかけない生活も目的とされます。

1986年のイタリア北部のブラという小さな町で生まれた、伝統的な食材や料理を守り、ゆっくり食事を取るほかにも、子供達も含めた消費者に味の教育を進めるといった、スロ-フード運動は欧州に広く浸透しました。

フランスでも10年前から「味覚のレッスン」という活動が起こり、その活動内では実際にハーブを嗅がせて香りを体験させたり、何が身体に良いのかなどを教えています。

ファーストフードと異なり、粘着性の少ないスローフードは、特に新鮮な野菜や果実が有用な清掃食品になることが認められており、活発な咀嚼や味覚障害による唾液流出量の増加と、これに続く嚥下により、口腔内の不潔になりやすい因子を除去します。

歯磨きは主としてはおよび歯肉に対して、行われるものであり、口腔内全体の清掃はしておらず、スローフード運動の歯科的効果は大きいのです。

Knightonは、被験者に酵母菌を食べさせた2時間後に、食材などを食べた場合と歯磨きをした場合とを、酵母菌の減少率にて比較する実験を行いました。この結果、歯磨きよりも、食品(バナナ、オレンジ、ガム、リンゴ)を食べたり咀嚼した方が、清掃作用が強い事がわかります。ただし、この実験は、元来口腔内に存在しない菌を用いた条件であり、歯垢(デンタルプラーク)に対する結果ではないですが、リンゴや梨、あるいはお新香などを食事の最後に食べることは、以前から有効な清掃法として我が国でもよく知られていて、各地で実施されています。

2005年7月、健全な食生活を育成、教育するために、家庭・学校・地域社会の中心に「食育」を推奨し、国や自治体が取り組む事を定めた、「食育基本法」がようやく実施されました。食育を智育・徳育・体育の基礎となるものと位置付け、食に関する知識と食を選択する能力を身につけ、健全な食生活を実践できる人間を育てることを目的としています。

我が国では、O-157、BSE、鳥インフルエンザ、SARSなどという専門用語が何を意味するものなのか誰もが知っているほど、食の安全性に問題が生じ、さらには偽装表示などという悦の問題まで露呈てしています。

ものような状況に追い込まれたことにより、ようやくスローフード運動に準じたものが、我が国でも法政化したのかと思い、内容を確認すると、上記のような食の安全性を中心とした項目はあるが、食の基本であり、またスローフード運動の基本でもある、「噛んで食べる」ことに関しての、歯科的あるいは口腔衛生の観点からの言及はありませんでした。

「食育」とは「何をどのように食べるか」に集約されると考えるがどうでしょうか?「食べる事は身体的・精神的に健康的な状態を維持するための基本的な活動」と日本学術会議でも位置づけられており、健康長寿に必要なのは、「噛んで食べる」ことに他ならないのです。

この趣旨から厚生労働省を主体に、8020運動(80歳で20本以上保有する)も現在展開しています。したがって、咬合・咀嚼の専門家である歯科医師の立場から見た食育基本法は、現時点では完成度の低いものにしか映らないのです。

ただし、本法の成立を機に、欠損部を補うためにも歯科の専門家を積極的に呼び集め、「噛んで食べる」ことを重要視した食育が、将来は広く実施されることを期待します。

明日へ続きます。

参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一著 フレグランスジャーナル社

2007年12月21日 (金)

生活の中の口腔衛生1

本日は、千葉栄一先生の著書「オーラルケアのためのアロマサイエンス」からお届けいたします。

口腔衛生の起源

仏陀(BC566~486)が仏法を説いて回っていた頃、仏陀は弟子達に口臭がひどいため、歯磨きなどの口腔衛生法を積極的に指導したことが知られています。

当時、歯磨きに使用した木(木の枝)の事をサンスクリット語でダンタ・カーシュタといい、中国に伝わった時に、歯木や楊枝と訳しました。このダンタが英語のDental(歯科)の語源とされています。

歯木としては、インドセンダン(ニーム)のテーマである口腔衛生の起源の一つとなっています。この逸話から、人類は実に二千五百年以上前から、歯を磨いていたという事実とともに、当時から口臭に悩まされていたことも、同時に理解できます。歯を磨く思想は、その後インドから仏教をともに中国、朝鮮を経て、552年には日本にも伝えられたのです。

ちなみにセンダン(栴檀)について辞典で調べてみると、白檀のい異称とありました。白檀という名称からなら、多くの方がサンダルウッドというアロマテラピーのエッセンシャルオイル名をすぐに思い浮かべるでしょう。もちろん、近親種程度に捉えるべきです。

サンダルウッドの主な産地はインドであり、芳香性が強く、主要成分としてセスキテルペンアルコールを多く含有しており、消毒効果も期待できるため、当時としては最適な歯ブラシとなったと思われます。

このように口腔衛生と、広義に解釈したアロアテラピーは、その起源からかかわりをゆうしています。

明日へ続きます。

参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一著 フレグランスジャーナル社

2007年11月18日 (日)

放っておくと死ぬ?

本日は、花田信弘先生の「もう虫歯にならない!」からお届けいたします。

放っておくと死ぬ?

誰でも内臓の具合が悪ければ、お医者さんに行って検査を受けたり、薬を飲んだりします。ところが、虫歯となると、本当に痛くなるまでなかなか歯医者さんに行かないようです。

それは「虫歯で死ぬわけじゃない」「たかが虫歯」という気持ちがあるからではないでしょうか。

確かに、虫歯は生死にかかわるものではないかもしれません。しかし、考えてみてください。手や足が傷ついたときは消毒するはずです。それは細菌が傷口から入って、血管を通して体全体に回らないようにするためです。

虫歯も傷です。しかも歯の部分に囲まれて、自然にふさがることのない特別な傷だといえます。

口の中にたくさんいる細菌が虫歯の穴を通して血管中に入っていきます。この状態を菌血症といいます。さらに、感染が進んで血液中の細菌が増えると、敗血症になり、今度は血液を通して細菌が全身に運ばれるため、多臓器不全を起こして死に至ってしまう。そんなことも絶対ありえないことではありません。

それは少々オーバーな話だとしても、虫歯の傷口から絶えず侵入してくる多くの微生物と常に闘うことで、体の抵抗力という貯金を減らしてしまうことは確かです。

抵抗力という兵士をたくさん使ってしまうと、虫歯菌よりもっと深刻な病原菌が入ってきたときに使える兵士が減ってしまっていて、ガクンと体力を落としてしまうことになります。虫歯のような、治療すれば簡単に治せるものに大事な抵抗力を使ってしまうなんてバカバカしいではありませんか。

口の中にはたくさんの細菌がいます。いままでは、それらの細菌が病気につながるとは考えられていませんでした。しかし、最近の研究で、川崎病の原因は口腔細菌である溶連菌が外に出している毒素であることがわかりました。1億個以上もある口の中の細菌が、虫歯を通して全身に広がって行くことで、健康障害を起こすこともあると考えられるようになっています。

ただし、口腔細菌のうち、この細菌がこういう病気をもたらすというふうに、細菌と病気の関係はまだすべて解明されていませんが、細菌自体ではなく、細菌が作り出す毒素に問題があるということはわかってきています。

ただし、口腔細菌のうち、この細菌がこういう病気をもたらすというふうに、細菌と病気の関係はまだすべてが解明されていませんが、細菌自体ではなく、細菌が作り出す毒素に問題があるということはわかってきています。

口の中にいる細菌だけでなく、インフルエンザ、はしか、百日咳など多くの感染症は、口を介してうつる経口感染です。病原体の体への侵入口は、目、鼻、生殖器、そして口です。健康な皮膚からは入ってきません。

目や鼻、生殖器は粘膜によって守られていますが、口は大きな侵入口にしては守りが甘いといわざるをえません。

参考文献 もう虫歯にはならない 花田信弘著 新潮文庫

2007年11月 2日 (金)

歯ブラシの取り替え時期

本日は、日経新聞10月13日分の「くらし知っ得 REAL  SIMPLE japan」からお届けいたします。

歯ブラシの取り替え時

毎日使っている歯ブラシ。一般に歯ブラシの毛先が開いたら交換時期と言われますが、実際にはたまたま気がついた時に交換しているケースがほとんどではないでしょうか?

歯ブラシは毛先で汚れをかき出すものなので、毛先が寝てしまうと効果が落ちます。歯磨きの際にブラシを軽い力で当てるようにと言われるのは、歯肉に負担をかけないためでもありますが、汚れをよく落とせるように毛先を寝かせないためためなのです。

具体的には歯にブラシを直角に当てて1本づつ磨くような意識で、小刻みにそれぞれ10~20回、左右に動かします。歯と歯の間など狭いところはデンタルフロスや歯間ブラシを使うようにしましょう。

交換時期を見極めるためには、毎日歯磨きが終わるたびに毛先を確認する必要は無いが、「目安として、自宅で朝晩使っているものなら新品をおろして1ヶ月後、職場で昼休みのみに使うものなら2ヶ月後には毛先を確認しよう」」とライオン広報部の紙谷成子さんはアドバイスします。

歯周病対策用の毛先が超極細のタイプは毛先がカールしてきたら取り替え時期です。

歯ブラシは衛生上、歯磨きが終わったら良く洗ってから乾かすのが鉄則だが、ブラシの付け根に汚れがたまった時も交換のサインです。旅行の外出さきなどで携帯用の歯ブラシを使っていて、乾かす時間が場合は、タオルで水気をおとしてからしまい、帰宅後にケースから出してしっかり乾かすようにすると長く使えます。

定期的に歯ブラシの状態を点検することが毎日気持ちよく歯磨きする秘訣となります。

リアルシンプルジャパン編集部

2007年10月22日 (月)

自覚症状が出たときは重度の歯周病

本日は、熊谷先生の著書「歯科 本音の治療がわかる本」からお届けいたします。

☆歯周病は自覚症状がない病気です

歯周病は、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。でも、骨が溶け始めても痛くもかゆくもありません。かかり始めは、指でゆすって歯が揺れることもありません。痛くなったり、歯肉から臭い膿が出るようだと、もう重症です。かかりつけの歯科医院で定期的なケアを受けている人は良いのですが、そうでない人は、重症になってはじめて病気に気づいて歯周病の治療を始めているのが現状です。

指で動かして、歯が揺れるようになったら歯周病の末期ですが、こうなってから慌てて受診すると治療をする度に歯を抜かれる羽目になります。ここで「ひどくなったら抜歯になる」「歯槽膿漏は治らない」という誤解が生まれたのです。

末期の歯周病は手の打ちようがありません。歯を少しでも残したければ必死でブラッシングする以外にないでしょう。臭い、噛みにくい、見かけが悪いという具合で快適にはなりませんが、生活を犠牲にして努力をすれば何年か歯を抜かずに維持出来る場合があります。それで、「歯槽膿漏は抜かずに治せる」という期待が生まれました。

☆歯医者さんも気づかない?

歯周病は自覚症状がないので、患者さんが気がつかないのは無理もないことですが、残念なことに歯医者さんも気がつかないことが多いのです。患者さんにも歯医者さんにも「かかりつけ」のつもりがなければ、たとえ歯科医院を受診したとしても歯医者さんは歯周病に気がつかないかもしれません。

というのは、かかりつけ歯科医でなければ患者さんの訴えがないときに歯周病の詳しい検査はしないのです。目立たない病気ですから、詳しい検査をしなければ、かかり始めの歯周病を見つけることはできません。歯を支える組織の破壊は、ひどく進む時期と安定している時期を繰り返して進みますが、安定期には目立った自覚症状はありません。

☆早期発見・早期治療

重症になって、「名医」を求めて、たくさんの時間とお金をかけて治療を受けても、治療結果で確実なことは、数年で必ず再治療が必要になる-優秀な臨床医も学者も、そして患者さんもそんな歯周病治療を普通のものだと勘違いしてきました。

そして、多くの患者さんは、治療をあきらめて、簡単に抜歯して入れ歯にしてしまっているのです。しかし、家族でかかりつけ歯科医をもって、歯周病を初期の段階で見つけて、早期の治療をすれば、歯周病は簡単にコントロール出来る病気なのです。

参考文献 「歯科」本音の治療がわかる本 熊谷崇・秋本秀俊 共著 法研

2007年10月 4日 (木)

歯周病の予防はますお口の清掃から2

昨日の続きです。

歯ブラシの効能

さて、それでは歯ブラシの効果ですが、私たち歯科医はお口の汚れ、特に歯と歯肉の汚れを「染め出し」によって評価しています。普通、歯科医は食品添加物に使われる色素が入った専用の染め出し液を使用し、米国のオレリーという歯周病医が考案したプラークコントロール・レコードという記録方法を用いて歯の表面の染め出された面の数に対して、歯の数掛ける4面で割った数字で評価するのです。

たとえば、すべての面の4つの面が染め出されたとすれば、100%ですし、すべての歯の2つの面が染め出されたとすれば50%、と言うことになります。つまりプラーク・コントロール・レコード=染め出された歯面の数/(歯の数X4)となります。

この評価方法が歯周病の治療に導入されてずいぶん経ちますが、一つだけはっきりと分かったことがあります。それは、いくら頑張って歯ブラシをしても0%にはならない、という事でした。私自身も長い臨床経験で体験済みです。つまり、私たちは歯ブラシだけでは完璧にプラークを取り除く事はできないのです。

完璧に取り除く事の出来ない理由の一つには、おそらく歯の形に問題がありそうです。特に奥歯は歯肉との境目の少し上の部分が最も大きく膨れたようになっています。ですから、ちょうど突き出た岩の様になっていて、その下の部分はどうしても歯ブラシが届きにくくなってしまいます。

もう一つの問題は歯と歯とが接触している部分です。この接触部分は人それぞれ大変個性があって実に複雑です。面と面の広い面積で接触している人もいれば、わずかな点で接触している人もいます。

まや、虫歯の治療で冠を被せてもらったりすると、人工的にいろいろな形の接触形態になってしまいます。ところがこの接触している部分が大変汚れやすいのです。ます、歯ブラシで完璧に磨くことは不可能です。

若い人は「歯間乳頭」という歯肉が歯と歯の間を埋めていて簡単には食べ物がその部分に入らない様になっていますが、年をとって来るとどうしても歯肉がやせて歯と歯の間に隙間が出来るようになります。そうすると歯の接触している部分にバイオフィルムが発生し歯周病に罹りやすくなります。ですから、その部分をいろいろな補助器具を駆使して清掃する必要が出てきます。

参考文献 歯周病の本当に怖いわけ 宮田隆著 医歯薬出版

2007年10月 3日 (水)

歯周病の予防はまずお口の清掃から1

本日は、宮田隆先生の著書よりお届けいたします。

歯周病は感染症で、それも深刻な感染症であることは何度も強調しました。そして、その感染源は細菌達の集合住宅であるバイオフィルムにあり、その中に潜む歯周病菌であることもお話しました。ですから、その歯周病菌が繁殖しないような状態を常に保っていれば理論的には歯周病にはならないはずです。

ただし、これもすでにお話しましたが、私たちの数%、おそらく7~8%ぐらいの人は、どうやらもともと遺伝子的に歯周病に罹患しやすい体質を持っていて、なかなか歯周病から逃れることが出来ないようです。

しかし、残りの90%の人たちは、バイオフィルムさえ駆逐すれば(あくまで理論的には、ですが・・)歯周病にはならないはずです。

ただ、残念ながら生まれて死ぬまで完璧にお口の清掃を出来るかたなどいませんし、さらに加齢現象の様々な影響で私たちは知らぬ間に歯周病に罹ってしまっています。問題は、どうそれを最小限の被害でとどめるか、ということでしょう。

歯を良く清掃し、お口の中を清潔に保つことは、私たちの身体に多くの効能があります。もちろん、虫歯にもなりにくくなります。虫歯の原因は歯にこびりついた食べかすに繁殖した虫歯菌が原因ですから、そういう意味では予防はそう難しいことではありません。

虫歯菌が繁殖して大量の酸を出し、PHが5.5以下になると歯の表面が脱灰し始めます。ですから、その前に歯をきれいにしておけば虫歯にならないことになります。

しかし、歯周病の場合、歯周ポケットが出来てしまうと、歯ブラシだけでは歯周病の進行を止める事はなかなかできません。

こういうふうに考えたら如何でしょう。ます、歯周ポケットがない状態では、歯と歯の周りの清掃は大変効果があります。しかし、運悪く歯周病菌に感染して歯肉が腫れたり、わずかな歯周ポケットが出来てしまうと、清掃だけを目的とした歯ブラシだけで治すのは難しくなります。

清掃プラスちょっとした工夫が必要となります。その「工夫」についてはあらためてお話します。

さらに、歯周病が進行してはっきりとした歯周ポケットが出来てくると、歯ブラシによる清掃だけでは決して治りません。もちろん、しっかり歯ブラシしてお口の中をきれいに保てば歯周病の進行を遅らせることは可能です。しかし、あなたが体調を崩したり、何かの原因で免疫力が落ちたときに、歯周病は確実に、そして急速に進行してしまいます。つまり、歯周ポケットがあるかないかで日常のケアの考え方が全く違う、ということなのです。ただし、あなたは自分で歯周ポケットがあるかどうかは分かりません。もちろん、歯周病の得意な歯科の先生に診察してもらい、歯周ポケットを測定してもらうのが確実ですが、歯ブラシをすると「出血」する、という兆候で自分も歯周ポケットの有無程度の判断は出来ます。

よくテレビでも「歯肉からの出血」が歯周病の危険信号といったコマーシャルを耳にしますが、それはその通りなのです。

歯周病がもっと進行するうがいぐらいでも出血することがあります。ですから、歯ブラシの後や、うがいで出血したら、まず歯周ポケットがあると判断すべきでしょう。

明日へつづきます。

参考文献 歯周病の本当に怖いわけ 宮田隆著 医歯薬出版

2007年10月 1日 (月)

口の中は細菌の巣窟

本日は、波田野先生の著書「歯から始まる怖い病気」からお届けいたします。

口の中は細菌の巣窟

歯は賢固な城壁に守られています。

表側に見えているエナメル質という丈夫な帽子の部分と、歯が埋まっている歯肉と歯を支える骨に取り囲まれて、歯はがっちりとガードされている。鉄壁な守りなので、絶対に大丈夫だろうと油断していると、いつの間にかエナメル質の一部が溶け出して、虫歯に成っています。

きちんと歯を磨いているのにおかしいな、と思うことがあるかもしれませんが、歯磨きは適切な場所を、正しく磨かなければ効果がない。

歯を磨くというのは、歯の表面にブラシを掛けることではなく、ましてや食べかすを除去するために行うのではありません。

もちろん、食べかすが残っているのは困りますが、大切なのは歯と歯の間や歯と歯肉の境目に生息している細菌を取り去ることです。そこがしっかり磨かれて、細菌がいなくならなければ目的は果たせません。歯を磨いていたとしても、虫歯になってしまうのです。

歯と歯の間に白っぽい粘りのあるものがついていることがあります。ほとんどの人の歯についているはずです。それを取って顕微鏡で見ると、たらこの粒のような丸いものや糸くずのようなものが動いているのが見えます。もっと拡大すると、真珠のネックレスのように繋がっていたり、ぶどうの房のような形、あるいは棍棒が連なっているようなものもあります。これら統べたが細菌です。

細菌は、1ミリメートル角の升に、一億匹入る大きさと言われています。もちろん、人間にとって有益な細菌もいれば、悪さをするのもいる。日和見菌といって、通常は関係ないのですが、ある条件になるといきなり悪さをする細菌もいます。

どの細菌にも共通していえるのは、増えるスピードがとにかく速いということです。ひとつの細菌は、30分で2個に分裂します。その後、4.8.16と2の2乗で増えてい来ます。

ひとつの細菌が24時間後には275億個になっているということになります。

口の中全体を考えると、いったい何億の細菌が生息しているのか想像もつきません。この細菌の大群の中に虫歯の原因菌もいて、虎視眈々と活動の機会をねらっているのです。

参考文献 歯から始まる怖い病気 波田野尚樹著 祥伝社新書

2007年9月18日 (火)

いろいろな感染症

本日は、宮田隆先生の著書「歯周病の本当に怖いわけ」からお届けいたします。

いろいろな感染症

歯周病は感染症です、などというと、あなたはマラリアや結核と同じ恐ろしい伝染病を想像するかもしれません。

歯周病は伝染こそしませんが、実は恐ろしい感染症であることにはかわりがないのです。

感染症というのは「病原性を有する微生物が体内に入り、そこで定着、増殖し特定の局所あるいは臓器に障害を引き起こすこと」と難しく定義されていますが、要するに細菌やウィルス、原虫など微生物が引き起こす病気で、生活習慣病や糖尿病などとは全く違う病気です。

少し感染症のことをおさらいしてみましょう。

端なる風邪と思われがちなインフルエンザは、世界中に広がるウィルスが原因の大変怖い感染症です。

1918年に大流行したスペイン風邪というインフルエンザでは、世界中で2.500万人が感染によって命を落としました。日本でも38万人が犠牲になりました。

いま、鳥インフルエンザが人に感染するのではないかと、世界中の保険機構が監視の目を光らせているのはご存じだと思います。

マラリアは特に発展途上の国々の人たちを悩ませる感染症ですが、以前は先進国でも猛威をふるっていました。マラリアはウィルスや細菌より大きい原虫という微生物から感染します。

マラリア原虫はハマダラカという蚊の唾液腺に寄生しています。ハマダラカは夕方に活発に活動して雄と雌が交尾します。妊娠した雌のハマダラカは、栄養が必要なため人の血を吸います。その時に唾液腺に寄生していたマラリア原虫を人に体内に注入するのです。

ですから、刺すのは雌だけです。著書らの歯科医学教育国際支援機構による現地活動のように熱帯で仕事をしていると、日の沈む前後には蚊に刺されないよう特別注意します。

マラリア原虫は最初に肝臓に侵入しますが、その後、赤血球を新たな寄生場所とします。

その時に高熱がでます。熱帯熱マラリアとか三日熱、四日熱マラリアと呼ばれるのはこの時期です。ですからマラリアは、赤血球が破壊されるため、ひどい貧血症状を起こします。アフリカでは貧血になった子供達に輸血をして、そこから今度はHIVに感染してしまうなど悲劇も起きています。

AIDS(後天性免疫不全症候群)を発症させるHIVもウィルスです。ウィルスは細菌よりさらに小さい、最も小型で細胞構造を持たない単純な生物です。いや、ウィルスの構造から無生物という考え方もあるくらいです。

また、遺伝情報を伝える核酸であるDNAかRNAのいずれかしかもっていませんし、自分でエネルギーを出して増殖する能力もありません。ですから、いつまでも他の細胞に寄生していないと生きていけないのです(これを専門的には偏性細胞寄生虫といいます)。

HIVは免疫を担当するT細胞に寄生します。そのためHIVに感染すると免疫が働かなくなり、多くの人はAIDS になってしまうのです。

私たちに身近な感染症として最近注目を集めているのが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌でしょう。

ピロリ菌も歯にこびりついた歯垢からも感染することが示唆されています。

参考文献 歯周病の本当に怖いわけ 著者 宮田 隆 医歯薬出版

2007年5月31日 (木)

丈夫な歯を保つには・・・・。

本日は、日本経済新聞5月27日付けに載った新聞記事からです。

丈夫な歯を保つには・・・。

歯みがきに使う歯ブラシや歯磨き粉、洗口液。ドラッグストアへ行くと、口腔ケア用のさまざまな商品があふれています。

どれを使えばいいのか分からず、迷うこともおいでしょう。歯の健康を守るには目的にあったものを選ぶことが大切です。

歯ブラシは、毛の太さや硬さ、並び方などが異なります。硬いほど汚れを落とします。ヘッドの大きさは歯2~3本にあたる位が磨きやすいです。毛の並ぶ列が多いほど磨く時間が短くて済みます。

一番奥の歯が歯肉と接する側面部がもっとも虫歯になりやすいです。この奥歯は40歳以上の大半が虫歯だと言われています。

ライオンのオーラルケア研究所の氏家高志所長は「ここをケア出来るように歯ブラシを選び、当てる場所を意識して使うといいですよ」と助言します。

最近人気の電動歯ブラシは当て方などを正しく使えば効果的という意見が歯科医の間にも多い。

高速振動で発生する水の力によって、歯ブラシでは届かない汚れにも効果があるとの研究報告もあります。

鶴見大学の新井高教授が電動歯ブラシの効果を調べた世界中の研究を集めたところ、手磨きや電動歯ブラシ、超音波歯ブラシなどの効果に差はありませんでした。

「手で正しく磨くと5~6分かかるものが、電動だと約2分。ただ、道具よりも磨き方が重要であることにはかわりがありません」(新井教授)

中高年が気を付けたいのが歯周病です。歯肉がやせて歯と歯肉の間の溝が深くなり「歯周ポケット」が出来ます。

歯垢や汚れが溜まりやすく、歯ブラシではなかなか落ちにくい。毛が柔らかくて、毛先の細いタイプを選び、時間をかけてゆっくりと磨くといいです。

歯と歯肉に挟まれた「三角地帯」の汚れは特に磨きにくいものです。歯間ブラシで力をかけすぎずに回しながらすき間をきれいにする。最初は直径0.8㎜くらいが目安。すき間は場所によって違うので、一人で何本も使い分けるのが良いです。

歯間ブラシが入らない場所はデンタルフロスを使います。歯肉を切りやすいので歯科医に使い方を教えてもらいましょう。

洗口液~夜寝る前の歯みがき後に~

歯みがき効果を高めるために洗口液を使う人も増えてきました。歯周病、虫歯、口臭予防など用途別にありますが、口内の菌を減らしたり、除去しやすくするのが主な役割で、歯みがきの変わりになるものではありません。あくまで補助的なものと覚えておきましょう。

花王パーソナルヘルスケア研究所の前田室長は「使いすぎると口の中の善玉菌まで死滅してしまいます」と注意を促します。

新たに口内に入った細菌で炎症などを起こすこともあるといいます。就寝前の歯みがき後に使うのが良いでしょう。

歯磨き粉や洗口液は医師の処方する医薬品もありますが、大半は薬効成分を含む「医薬部外品」と含まないで口臭対策の清浄剤などからなる「化粧品」に分かれます。購入の際に、表示をきちんと確かめることも大切です。

2007年5月26日 (土)

歯並びと虫歯の関係

歯並びを良くすると多くのメリットがあります。

なぜなら、歯並びが悪いデメリットを克服しているからです。

歯並びが悪いといくつかのデメリットがあります。その中の一つに虫歯との関係があります。

今回は、それを考えてみましょう。

①歯のすき間などに歯垢がたまりやすい。

歯がきちんと並んでいないという事は、それだけブラシが届かないすき間が多くなると言うことです。そのため、歯みがきをしても歯垢が溜まりやすく、虫歯になりやすくなってしまいます。

②噛み合わせがうまくいっていないため、歯が痛みやすい

歯並びが悪いと噛み合わせがずれてきます。なぜなら、歯並びが悪いときには、歯の「押しくらまんじゅう」が起こって、奥歯から順番に前の歯を押してくるので、歯が傾いてくるからです。

噛み合わせがずれてくると、噛んだときに特定の歯ばかりに負担がかかるので、その歯が痛みやすく、虫歯になってしまう可能性があります。

それともう一つ、歯が傾いていると、歯の根元を支えている部分の負担が大きくなって、歯が痛みやすくなります。歯はもともと垂直に生えています。上の歯と下の歯が垂直に生えている場合は、強い力で噛んでも歯の付け根には力が分散されさほど大きな力はかかりません。

このことは、机に削っていない鉛筆を垂直に立てて、机に接している所を片手で支えて、もう一方の手で真上から押してみるとよく分かります。真上から強い力で押しても、支えている手には力を入れなくても鉛筆が倒れることはありません。

しかし、鉛筆をすこし傾けて、同じように真上から押してみると、今度は支えている手に力を入れなければ、鉛筆は倒れてしまいますね。

これは、歯も同じです。傾いていると、垂直の時のように強く噛もうとすると、歯の根元には大きな力がかかって、痛むのが早くなってきます。

また、歯が傾いてその後ろの歯が、噛み合わせ面より早く当たるようになると、奥歯のあたる部分が痛みます。

このように、噛み合わせがおかしくなると、不都合が起こるのです。

矯正によって、歯並びを治す時は、このように倒れた歯をまっすぐにする治療法をおこなっています。これは、歯を健康に長持ちさせるために治療でもあるのです。

参考文献 抜かずに治す「歯並び」なっとくBOOK 岸本雅吉著 海苑社

2007年5月16日 (水)

歯磨き粉の量は?

今回は、波多野尚樹先生の著書「歯から始まる怖い病気」からお送りします。

大量に歯磨剤を使うと歯が悪くなる?

歯を守るには、とにかく歯を丁寧に磨くことです。食後、食前、就寝前と気が付いたら歯みがきをすつ習慣を身につけるだけで、バイオフィルム(虫歯菌の塊)を取り除くことができます。

この場合、注意しなければならないことがあります。

日本人は歯磨剤が好きなようで、年間の使用量は70576トンで、世界でも有数の歯磨剤大国です。

しかし、本当に歯を大事にしたいと思ったら、歯磨剤を大量に使わないことです。

歯磨剤をいっぱい付けて使う人ほど、歯が悪いのです。

歯科剤の中身は、大部分が糊(のり)でそれに炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、塩、アパタイトなどの研磨剤の成分が混ぜてあります。これに、界面活性剤、保湿剤、結合剤、発泡剤、香料、色素などを加えて販売されています。

ペパーミントのさわやかさと発泡剤の泡で口の中が満たされると、もう充分にブラッシングした気分になって歯みがき時間が短くなってしまいます。

最低、10分は磨かないと細菌の除去は難しいのに、短時間で歯みがきが終わってしまうので、当然磨き残しが出ます。本人にとっては口の中はさわやかな気分なので、磨き残しに気が付かない。これが問題なのです。

もちろん、歯磨剤はまったく効能がないわけではないのです。

歯に付いた茶渋やたばこなどステインと呼ばれる着色しみを削り取るには、歯磨剤を使用すると良く取れます。

しかし、あまり大量に使うと歯が削れてしまうので、歯ブラシの先端にせいぜい枝豆一つ分程度で充分で、それ以上使う必要がないのです。

虫歯や歯周病は感染症なので、もし細菌をコントロールしようと思ったら、抗生物質や殺菌剤で菌の動きを封じ込めるしかありません。

ところが、口の中には悪い菌だけが住んでいるわけではなく、人間に有益な菌もまた数多く生息しています。もし、殺菌剤を口に入れてしまうと、悪い菌は死ぬかもしれませんが、有益な菌も死んでしまいます。

舌や食堂などの軟組織も同時にダメージを受けてしまうでしょう。

細菌は微妙なバランスを保ちながら生きている

仮に100種類の菌が生息しているとして、ある種の細菌に効果のある抗生物質を投与すると、その細菌は死ぬかもしれませんが、口腔内の細菌のバランスが崩れて、もっと別の悪さをする細菌が勢力を伸ばしてしまうかもしれません。もしくは、抗生物質に抵抗性のある耐性菌が出来てしまったら、もはや駆除することは出来なくなります。

つまり、毎日習慣的に薬物を使うと、思わぬ病気が発症しないとも限らないのです。しかも抗生物質は医師の処方箋が必要なので、歯磨剤の中には入れることは出来ません。

つまり、歯磨剤には細菌に対して効果があるものは、一つも入っていないということになります。

しかし、歯磨剤で歯を磨くと、ペパーミントの香りが口いっぱいに広がり爽快感を感じます。口の中がすっきりした感じがして、歯を磨いたという達成感さえ感じます。

実は、これが問題なのです。

歯を磨く目的は、あくまでも歯と歯の間や、歯肉との境目のプラークを取り除くことなのですが、ペパーミントの刺激によって、唾液腺が刺激され大量の唾液が出てくるのでゆっくり歯を磨いていられないのです。

歯を一本一本丁寧に磨かなければならないのに、発泡剤で口の中は泡だらけ、ペパーミントの香りだけで気分はすっきりになる。歯をしっかり磨いたわけではないのに、気分だけは歯みがきをしたいという達成感があるという状況が起こっている。

歯磨剤を使うのは、歯に着色したステインを落とすときと、ニンニクなどにおいの強い食品を食べた後のエチケットのときだけで、後はごくごく少量にすることが、歯を守る秘訣であります。

参考文献 歯から始まる怖い病気 波多野 尚樹著 祥伝社

2007年5月15日 (火)

キシロトールの口腔内環境改善効果

本日は、デンタルトリビューンからのトピックです。

砂糖に代わる甘味料として利用されるキシリトールに、口腔内環境を改善させる可能性があることが、最新の研究により示唆されました。

これまでにも、キシリトールは比較的少量で口腔内の細菌叢を変化させることが明らかにされています。

スウェーデンの歯科医師でウメア大学小児歯科分野の大学院生であるPernilla Lif Holgerson氏は、このほど行った研究で、キシリトールの摂取量を相対的に多くすると、口腔内の酸生産量が減少する可能性があることを示しました。

同氏が小児および青少年を対象に行った一連の研究では、キシロトールの1日あたりの摂取量を3.4gにすると口腔内の有害な数は減少するものの、歯垢中の乳酸産生量に変化は認