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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2008年7月16日 (水)

パルスオキシメーターで全身管理を

今日はデンタルトリビューン紙2008年7月号よりお届けいたします。

私の医院でもパルスオキシメーターは完備しています。このことにより非常に助かったことが何度か経験しています。今日はアメリカでのそんな話しです。

(米国)治療中に全身状態の変化を見逃してしまったために、患者が重篤な状態に陥ってしまうことがあります。しかし、パルスオキシメーターを患者に装着させることで、こうした変化を察知し、危機を未然に防ぐことが出来ます。

心身の変化の把握に血圧と心拍数の確認は有効

パルスオキシメーターは、一見するだけでは把握しきれない患者の全身状態の変化を示してくれます。こんため、全般的な治療のクオリティレベルの向上や、時には患者の救命に繋がることさえあります。

血圧、心拍数の変化は患者が感じている不安や疼痛反応などの重要なバロメーターであり、全身管理に大変有効であります。患者が少しでも恐怖、不安、不快を感じているのであれば、それはすぐに心拍数の上昇に反映されます。

歯科医師がこうした変化に気づくことが出来れば、なんらかの手を講じることが出来ます。また、予期せぬ副作用や合併症のために、患者の表情の変化、目眩、呼吸困難、時には意識に消失、嘔吐を来すこともあります。血圧、心拍数をきちんとモニタリングしていれば、歯科医師はこのような症状の進行を未然に防ぎ、早期に適切な対応を施すことができます。

パルスオキシメーターによる管理で救われた老婦人

カリフォルニア州サンタマリア市の開業歯科医師Daniel Cook氏は、診療に際して常にパルスオキシメーターを使用しています。

同氏は、患者の血圧と心拍数の変化をモニタリングすることで、より確実に患者の全身状態の変化をモニタリングすることで、より確実に患者の全身状態を把握することが出来ると確信しています。

つい最近も、パルスオキシメーターによって老婦人が救われました。残根抜歯術を施していた際にパルスオキシメーターの数値を確認したところ、血圧が260/180と見たこともないほどの高値に上昇していました。

同氏は「しかし、彼女の意識は明瞭であり、まったく正常に見えました。パルスオキシメーターを確認するまでは、特に変わった様子もうかがえず、なにかおかしなことが起きているようには思えなかった」と振り返ります。

問診の結果、彼女は高血圧患者であり投薬治療中にもかかわらず、5日以上も降圧薬の服用を忘れていたことが明らかになりました。問診を受けるまで、彼女自身がそのことを完全に忘れてたのです。もしパルスオキシメーターを装着してなければ、歯科医師にとっても患者にとっても不幸な結果になっていたかもしれません。

同氏は「患者の健康状態の全般的な変化に気を付けるようになれば、よりよい診療を提供できます。このためにパルスオキシメーターは不可欠です」と述べています。

2008年5月30日 (金)

「睡眠時無呼吸」を治す

本日は、歯科材料の株式会社GC(ジーシー)さんが発行している健康マガジン「ヘルシーダイアモンド」の中より、鶴見大学歯学部内科学講座教授である子島潤教授の取材したものからお届けいたします。

「ひどい眠気」が引き起こす大事故

睡眠時の歯ぎしりは、人に指摘されて初めて気が付きますが、睡眠時の無呼吸も、本人には自覚がありません。

あえぐような激しいいびきの後に呼吸が止まることを家族や友人によって指摘されることが多いのです。

呼吸停止で眠りが中断され、深い睡眠が取れないため、日中、ひどい眠気に見舞われ、仕事や社会生活に支障をきたすこともあります。

この眠気は、会議中でも運転中でも、ところ構わず襲ってくる厄介なものです。

20世紀後半に起きた重大な事故である、スリーマイル島やチェルノブイリ原発事故、スペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故、アラスカ沖の客船座礁事故などは、いずれも担当者の“ひどい眠気”が事故の原因となっています。

その中には「睡眠時無呼吸症候群」という病気が潜むものがあると言われ、アメリカで大きな問題となりました。日本でも2003年に起きた山陽新幹線の居眠り運転事故は睡眠時無呼吸症候群が原因さという診断結果がでています。

軽症はマウスピース使用で改善

日本では睡眠時無呼吸症候群の患者が約200万人いるとされますが、見過ごされているケースが多いのです。また日本人は欧米人に比べて原因の一つとされる肥満は少ないけれど、発症しやすい頭や首の形態をしているので注意が必要です。

無呼吸になる原因の多くが、舌の根元(舌根)が気道に落ち込んだり、扁桃腺肥大で気道が閉塞する「閉塞型」なのです。呼吸中枢機能の低下で起こる「中枢型」は少ないとされています。

閉塞型の治療法は、気道の閉塞を防ぐ「鼻のCPAP(シーパップ)」という装置の利用が基本です。睡眠時に鼻マスクを装着して、機械で加圧した空気を送り込むという装置です。しかし、軽症の人は、マウスピースの一種である「口腔内装置(スリープスプリント)」の使用で、閉塞を防ぐことが出来ます。

寝るときに「口腔内装置」を歯にかぶせ、下あごを前に突き出すことで、舌根が気道に沈み込むことを防ぐという治療法です。

内科と歯科が連携して睡眠時無呼吸症候群の治療にあたっている鶴見大学歯学部の子島潤内科部長は、「いびき外来」で多くの患者を診察してきました。

「比較的軽症な患者さんや、中等症でも鼻CPAPがどうしても合わないという患者さんは歯科に紹介し、専門の歯科医師によって特別なマウスピースをつくってもらいます。これで、無呼吸の状態はかなり改善されます」(子島潤教授)

心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い

睡眠時無呼吸症候群と診断させるのは、呼吸が10秒以上止まる「無呼吸」が一晩(7時間)に30回以上、あるいは1時間当たり5回以上ある場合です。その中で、軽症は、無呼吸と低呼吸が1時間当たり5~15回発生するレベルをいいます。

睡眠時無呼吸症候群が問題なのは、ただ単に呼吸が止まる、眠りが浅くなって昼間眠くなるといった問題だけではありません。重大な事は、放っておくと、明らかに死亡率が高くなることです。

「呼吸が止まって死ぬというのではないのです。睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと、脳血管障害や心臓血管障害などの発作を起こして命を落とす人が増えるということが、今問題になっています。たびたび呼吸が止まって酸素濃度が下がることで、体の中に色々な影響が及んでいきます。それが原因となって動脈硬化が進むため、巡り巡って命を落ということです。」(子島教授)

睡眠時無呼吸症候群の患者が高血圧や心筋梗塞、脳卒中などを合併するリスクは2~7倍も高いとされています。

2004年から、内科や耳鼻咽頭科で睡眠時無呼吸症候群と診断された患者は、健康保険が適応される歯科でも「口腔内装置」治療が可能になりました。睡眠と歯科領域に関連して、医科・歯科の連携はすでに始まっています。

2008年2月11日 (月)

食べる健康ダイエット

本日は、加藤大幸先生の「究極の歯科治療」からお届けいたします。

食べる健康ダイエット

昔から若い女性にとってダイエットは一大決心でした。今や、男も女も「やせ願望」を持ち、やせるための涙ぐましい努力をしています。いつまでも美しく若々しくありたいという願いがダイエットにつながっているのはもちろんですが、最近は生活習慣病を予防するためにも減量が必要という認識が広がっています。

大人が太りやすい時期は、ある程度決まっています。

男性ならば就職や結婚、女性なら妊娠や出産を機に太りだす場合が多いのです。中高年になると転勤や引っ越し、退職がきっかけになることがあります。いずれにしても、いったん太ってしまうと簡単にはやせません。

断食したり、甘いものや脂っこいものを控えたり、果物やサラダばかり食べたり、あげくの果てに拒食症になる人もいます。

また、食べるものも食べないで一時的にダイエットしても、ほとんどはリバウンドしてしまいます。5年の期間で見ると、95%くらいはリバウンドするというデータもあるほどです。

ダイエットに安易な方法はありません。

一時的にやせられてもそれを維持させることは、やせる事よりも難しいのです。派手な謳い文句のやせ薬や脂肪吸引、極端な断食などの過激なダイエットに走ると、身体に害を与えてしまい、むしろ太りやすい体質になることもあります。結局、生活習慣病を変容させなくては、どんなダイエットも失敗に終わるのです。

しかし、安全で効果的、そのうえ簡単に生活習慣病を変容させることが出来る方法があります。それは、良く噛んで食べることです。

良く噛んで食べた場合、カロリーがすぐに体温として、放散されていきます。これを食事による体熱放散(DIT:Diet induced Thermongenesis)といいます。

この体熱放散は、まったく噛まないときと比較すると、良く噛む方が倍以上も高いのです。たとえば流動食で直接、胃に送り込ませた場合は、この体熱放散は少なくて、食べたカロリーは体脂肪として、どんどん蓄積してしまいます。

以前、日本大学相撲部の田中監督とお会いしたときに、「力士は太るために食べ物を一切噛まずに飲み込む」とお聞きしました。ちゃん料理は手軽に作れて、飲み込むのみ都合のよい食べ物であるそうです。このことは、噛まないで食べると太ることを意味しています。

10歳くらいまでに、水泳やマラソンなどの有酸素運動を継続的に行っていた人は、自律神経がよく発達して体熱放散がスムーズに行われます。ですから、いわゆるやせの大食いは、自律神経が発達している人に多いのです。

また、良く噛んで食べる人は、味覚や食感などの感覚が刺激されて自律神経の活性が高まり、体熱放散も強くなります。

生活習慣(ライフスタイル)を変容させるには、あまり過激な目標を立てずに、ぜいぜい半年間に体重の5~6%を減量できたら上出来だと考えてください。1ヶ月に1~2㌔の減量を目標にして、半年は続けるのが適当でしょう。

そのためには、まず、良く噛んで食べること。最低20回は噛むようにしてください。そして、通勤は車に乗らない。エレベーターは使わない。という具合に、自分で決めて、それを継続して実行することが重要です。そうすれば半年後には、あなたもスリムで健康な身体になっているはずです。

参考文献 究極の歯科治療 加藤大幸著 現代書林

2008年1月18日 (金)

口呼吸が免疫システムを乱す

本日は、西原克成先生の「これだけでは病気にならない 顔と口の医学」の中からお届けいたします。

口呼吸が免疫システムを乱す

呼吸には内呼吸と外呼吸があります。肺で血液のガス交換を行うのが外呼吸であり、細胞内で行われるエネルギー代謝が内呼吸です。

そして、外呼吸と内呼吸を取り持つのが血液とリンパ液であり、血液とリンパ液は心臓循環系におよって全身をめぐります。

人には他の哺乳動物にはない、「口呼吸が可能」という構造的な欠陥があります。口呼吸では、扁桃リンパ輪が乾燥してカビが生えたような状態になり、症状のないまま扁桃組織にウィルスや毒性のない常在菌が棲みついてしまいます。

扁桃リンパ輪に棲みついたウィルスや常在菌は、リンパ濾胞(りんぱろほう リンパ節においてT細胞やB細胞がそれぞれ集合して形成している細胞集団)のM細胞から、とめどなく白血球に取り込まれます。

リンパ濾胞内で産生される抗体のIgAは、分泌先の唾液と鼻水と涙が口呼吸で涸れてしまうと行き場を失ってしまいます。そこでIgAは、リンパ液を経て血液中に入り込み、腎臓のミトコンドリアに達し、これを破壊します。これによって「IgA腎症(ネフローゼ)」を発症するといわれています。

口呼吸の習癖を持っていて、浅い呼吸をし、冷たいもの中毒で腸を冷やすと、すぐに循環系が障害されます。その結果、全身の細胞で行われている内呼吸の主役であるミトコンドリアの働きが阻害されます。同じ遺伝子を持つ60兆の個々の細胞は、もともと一つの細胞で生きている原生動物とまったく同じシステムで生きており、なおかつその60兆の細胞が協同して一個体を形成して原生動物を同じように生きているので、外呼吸が直接内呼吸に影響医するのです。

口呼吸による典型的な慢性疲労

外呼吸が循環系をどのように障害し、それがさらに肺や腸、脳、膵臓、生殖器にいたるまでの全身にいかに障害を及ぼすかの症例をしましましょう。

激しいめまいがするといって受診した50歳代の男性の医師がいました。既往歴として、心筋梗塞、潰瘍性大腸炎、じんま疹、不眠、慢性疲労、筋肉痛などがありました。

体温を測ると、35.5度しかありませんでした。口呼吸と冷たい物中毒と骨休め不足の結果です。

そこで、口呼吸を鼻呼吸に矯正するトレーニングを行うとともに、ノーズリフト(呼吸をしやすくする装置)を使用し、鼻呼吸体操で横隔膜呼吸を施行し、さらには体を温めすようにすると、めまい症状もじんま疹に治まり、体温も正常に戻りました。

しかし、デパートで長時間の買い物をする程度で下痢をしたり、心肺に不調が生じたりするというので、血液を観察しました。

今日では、採血を3000倍ほどに拡大して血液の状態を観察することが出来ます。すると、血球は凝集して重層をなしており、完全な酸欠状態でした。

口呼吸の名残で、喉に炎症が残っているのです。そこでさらに全身を温め、人工太陽光線を照射し、鼻呼吸体操をして、再び血液検査をしました。しかし、改善はほとんど見られませんでした。

これは、長年口呼吸と冷たいもの中毒と骨休め不足による過剰な重力作用のせいで、心臓の筋肉と、肺胞の上皮と間質細胞が腸の常在菌ですっかり汚染されていて、数ヶ月の鼻呼吸体操と保温では心肺の細胞内感染が治っていなかったことを意味します。

鼻呼吸体操で肺が酸素を吸収しても、肺胞の細胞に感染している好気性菌が酸素と栄養を横取りしてしまうので、赤血球に酸素が行きわたらないのです。心筋も細胞内感染をしているので、重い物を持ったり、長時間歩いたりすると、心臓が酸欠状態になって痙攣するのです。

そこで、この患者さんには、100%の酸素吸入を行い、外呼吸を活性化させるために20万倍に希釈したアドレナリン2リットルを粘膜下に注入し、同時に副作用のない抗生物質を点滴投与しました。

この治療によって、にわかに元気を回復し、「この20年間は体調不良で空腹感を思えなかったのに空腹を自覚するようになり、若い頃のように力がみなぎってきました」と行っていました。

この患者さんは、かつて、体力に自身のあるスポーツマンだったそうです。この症例は、こういうタイプの人が、超多忙、口呼吸、冷たいもの中毒によって陥る慢性疲労の典型です。

酸素吸入とアドレナリン注入後に血液検査をしたところ、血液内の酸欠状態はすっかり解消していました。

参考文献 これだけでは病気にならない 顔と口の医学 西原克成著 祥伝社新書

2007年11月29日 (木)

歯じめに

本日は、東京都立駒込病院の茂木伸夫先生の著書よりお伝えします。

歯じめに

二つの大きな病気の診療経験から

私は、東京都立駒込病院に勤務して、ほぼ30年近くになりますが、いろいろな病気の方の口の中を診てきました。

その中でも、二つの大きな疾患を診て口のケアを含めた口の管理の必要性を痛切に感じるようになりました。

二つの大きな疾患とは、エイズと白血病です。

この二つの疾患には、非常に似ている症状があり、共通している症状とは、免疫がかなり衰えてくるという事です。

エイズ患者さんは身体に入ったエイズウィルスが免疫細胞を殺してしまうので、免疫不全状態になります。また、白血病の患者さんは他の人から正常な血液をもらうために、患者さんの体の中のある免疫という他の物質を排除しようとする働きを抑えなければなりません。

そこで大量の抗ガン剤や免疫抑制剤を使います。そこで体の抵抗力がほとんどなくなる免疫不全状態になるのです。

日和見感染にご用心

免疫がかなり低下しますと、口や体にいくつもの菌が、病原体を持った細菌に変わって口の中にカビの一種であるカンジタという真菌を増やしてしまうことがあります。

たとえば主人が元気なときは、主人と一緒に体の中でおとなしく住んでいた仲間が、主人が弱くなってしまったことを良いことに、凶暴者に変身して攻撃して来るのです。

我々は、このことを日和見(ひよりみ)感染と呼んでいます。

ひどくなると、口の中にいろいろな潰瘍やガンなどを引き起こすこともあります。

口の中でみられる日和見感染は、①カンジタ菌②緑膿菌③肺炎桿菌④肺炎球菌⑤セラチア菌⑥カタル球菌⑦インフルエンザ菌⑧MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)⑨MSSA(メシチリン感受性黄色ブドウ球菌)⑩ベータ溶連菌などがあります。

口の中のコンディションをベストに

免疫不全を起こしている患者さんの話はほとんど関係ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、人間は、いつまでも若くはありません。誰でも歳をとります。またいつ病気になるかわかりません。だんだん歳と共に免疫力は衰えてきますし、若くても疲れた時など免疫の低下をおこすこともあります。

だから日々、口の中のコンディションをベストな状態にしておく必要があります。それが明日の健康に繋がるのです。

歯や歯肉の病気をそのままにしておいたり、口の中を汚くしておくと場合によっては虫歯や歯周病(いままでは歯槽膿漏といわれていた病気)から心臓や腎臓などの全身的な病気にかかってしまうことがあります。

このような病気を歯性病巣感染(しせいびょうそうかんせん)といいます。歯や歯肉の病気を放っておくと大変な事になります。つまり《寿命が短くなる》ことに繋がることがあることを知っていただきたいのです。

参考文献 歯医者さんにかかると寿命が延びる 茂木伸夫著 受育社

2007年11月27日 (火)

噛むこととストレス解消

本日は、長谷川先生の「噛む 歯は命」よりお届けいたします。

噛むことは、ストレスの解消につながります。

人は何のために噛むのか、食物を細かく砕いて消化しやすくして、栄養を摂るばかりではありません。

我々が食事をするとき、美味い、不味いは主として味覚によって判断します。もちろん視覚も必要です。どんな美味な料理であっても、ごちゃごちゃ皿に盛られたり、汚い器で出されたのでは食欲が出ませんね。嗅覚による香りを楽しむのも大切です。

これらのほかに触覚があります。クラゲをを噛むとコリコリとした歯ごたえがあります。正月のカズノコ、また、たくあん漬けなども同じで、このクラゲにどれだけの栄養素やうまみがあるのかは別で、歯ごたえを楽しんでいるのです。硬いものをかみ砕く爽快感、触覚と圧覚を無意識な感覚としてとらえることは、ある意味で、ストレス解消となって、情緒的にも精神的にも安定するのです。

もし、虫歯や歯周病があって、硬いものが噛めないと、そのまま鵜呑みにして胃腸障害を起こし体調を崩すことにもなります。また、硬いものが噛めないということのイライラが、かえってストレスの原因となり、消化器系の調子を崩すと食欲不振ということになります。

すなわち、噛めないということ自体がストレスを作るのです。

硬いものを噛む快感、爽快感により、噛むことがこの上なく楽しいものになり、顎を動かして、ゆっくり噛むことが大脳皮質を刺激してストレスの解消になるのです。

また、歯牙形成中の青少年が、精神的ストレスを受けると、体内の代謝機能が弱まり、必要な栄養カルシウム、リンなどを吸収する能力が低下して虫歯になりやすくなります。

今の我が国は、食文化時代といわれ、世界各国の料理を味わい楽しむことが出来ます。これらの料理を楽しく、ゆっくり噛みながら味わえばよいと思います。

噛むことは精神の安定、ストレスの解消となり、セルフコントロールのためにも大切なことです。

さて、スポーツ選手、とくにプロの運動選手がチューンガムや噛みタバコを噛みながら試合をしているのを見かけます。

これは、噛むことによって集中力、判断力を高め、さらに闘争本能を奮い起こさせるためです。また、緊張感があると、唾液が出にくくなったり、出なくなります。チューインガムなどを噛むことで、大脳皮質を刺激して活発に活動させ、唾液の分泌を促し、その結果、リラックスできるからなのです。

噛み締める(咬合)必要性は、スポーツだけでなく、あらゆる運動行為の初動体勢に絶対必要なものです。

有名スポーツ選手の口の中をみますと、歯の面(咬合面)がすり減っています。これは、初動作や運動の瞬間、歯を強く噛み締める習慣があるからで、顎も張っています。これは、スタミナ源の食物を良く噛むからです。

人はだれでも、立ったり、座ったり行動を起こす瞬間、無意識のうちに歯をぐっと噛み締め(瞬発力)次の動作に移ります。もしも、このとき、虫歯や歯周病に罹っていたり、歯の欠損があって、強く噛み締められなかったら、持てる力をフルに発揮できないでしょう。もし、これがスポーツの選手であれば、競争に破れ、記録も伸びないでしょう。

噛む事によって、頭脳を明晰にして、集中力、判断力、思想力などを養うようにしたいです。

したがって、噛むことは、文化的、精神的に多大の影響をもっているのです。

参考文献 噛む 歯は命 長谷川正康著 求龍堂

2007年11月13日 (火)

栄養器

本日は、花田信弘先生、井田亮先生、野邑浩美先生のお書きになった「むし歯・歯周病」からお届けいたします。

歯は生きるために欠かせない「栄養器」である。

歯が悪くなったら、入れ歯をいれればいいや、と思っているあなた。自前の歯がないと大変な事になりますよ。

歯は取り替えのきく部品なのか?

歯が痛くなった事がある人なら、その辛さは分かるはず。なにも食べられないし、水を飲んだだけでしみたりします。

そんなとき、歯がいかに大事な働きをしているのかがわかります。しかし、のど元過ぎれば何とやらで、痛まないかぎり歯の存在すら忘れがちです。

こんなに大事な歯を、体の部品の一つとして軽く考えている人が圧倒的に多いようです。だから、悪くなったら抜いて入れ歯を入れればいいと思うのかもしれません。

しかし、歯が無かったらどうでしょう。食べ物を噛むことも出来ないので、ドロドロの液状のものしか食べられません。

口から食べることが出来なければ、免疫力が落ちて、病気にかかりやすくなります。さらに気力もなくなり、最近の研究ではボケも進むことが明らかになってきました。

歯が無いとしゃべる事もおぼつかなくなります。コミュニケーションもとりにくくなります。

「栄養器」」がなければ生きていけない

私たちは、歯の重要性を認識してもらうために、明治時代には存在した「栄養器」という言葉に改めて光りを当てたいと思いました。

「栄養器」という言葉は聞き取れないと思いますので、すこし説明しましょう。

人間は食べなければ生きていけません。生きるために食べるとき、最初に食べ物を体に入れる働きをするのが口です。口は体に栄養を取り入れる機能を果たす「栄養器」なのです。

人が健康を維持していくうえで、柱となるのは運動と栄養です。現代人の多くが悩まされている生活習慣病を防ぐにも、適度な運動と、バランスのとれた食事(栄養)が重要であることは誰でも知っていることです。

この大切な栄養を体に取り入れるのが「栄養器」の働きです。

自らの意思で動かす事の出来る臓器

食べものが口の中に入ると、口をもぐもぐさせ、歯でガチガチ噛み、舌で混ぜ返し、食べものを飲み込みやすくします。これが「栄養器」の働きです。

このときに動く筋肉は、私たちの意志で動かすことの出来る随意筋です。食べた本人の意志で、口の筋肉は動かしています。

「栄養器」は自分の意志でコントロール出来る体の機能なのです。ところが、その後、飲み込まれた食べ物は食道を通って消化器に送られていきますが、消化器は「栄養器」と違って、食べた本人の意志とは違って、食べた本人の意志とはまったく関係なく働きます。筋肉の働きでいえば、不随意筋(意志によって動かす事の出来ない筋肉)の働きによるものです。

たとえば、消化器の働きを活発にして消化力を増して欲しいと考えても、自分の意志で消化器に働きかけることはできません。

しかし、「栄養器」である口の働きは自分の意志でコントロールが可能です。顔の筋肉を動かして、口をもぐもぐさせられますし、顎を動かして、歯を上下させたりすり合わせて、食べ物を細かく砕き、すりつぶし、唾液と混ぜてドロドロにして、より消化しやすい状態に自分の意志で持っていけるのです。

これはとても重要なことです。生きるため、さらに健康維持のために働く機能のうち、自分の意志でコントロール出来るのですから、「栄養器」の役割をきちんと理解して、これを十分に活用させる必要があります。

参考文献 むし歯・歯周病 花田信弘、井田亮、野邑浩美共著 小学館

2007年10月14日 (日)

人には自然治癒力がある

本日は、日本デンタルコンシェルジュ協会編集、佐伯健太郎先生が執筆代表である「噛み合わせが教える健康の秘訣」からお届けします。

人には自然治癒力がある。

病気を治すのは、人間が生まれつき持っている免疫力や自己再生能力といった「自然治癒力」です。

風邪を引いた場合、たいていは人は医者に行き、薬をもらって飲むと思います。薬を飲めば、数日のうちに風邪が治るため、薬が効いたと思うでしょう。しかし、、処方された薬は、多くの場合が解熱剤と抗生物質で、風邪の原因であるウィルスを退治するものではありません。

抗生物質を投与するのは、扁桃腺の腫れや肺炎といった、いわば風邪の二時症状に効果があるからであり、風邪そのものにはまったく効果がないのです。

風邪を引いたら卵酒でも飲んで、温かくしてよく眠れば治るといいます。また、抗生物質を飲んでも飲まなくても、風邪の治癒期間に差はないという調査結果もあり、普通の風邪なら抗生物質を飲む必要はないのです。

では、何が風邪を治したのでしょうか。

転んだり刃物で指を傷つけたりしたときなど、最初は出血し激しく痛みますが、時間が経てばかさぶたが出来て血がとまり、気がついた時には痛みも遠のいています。身体の傷が治るのも、どちらも人間に本来備わっている力です。自分の身体を自分で治そうという力・・・・それが自然治癒力なのです。

病気を治すのはまず自分。それを忘れてはいけません。医者にかかればどんな病気も治してもらえると思いがちですが、医者に出来ることは限られています。

どんな医者でも、一番大切なのは、患者さん自身の病気を治す力であることを知っています。古代ギリシャの医学の祖・ヒポクラテスも「人間は自ら治す力を持っている。真の健康とは、自然の治癒力を付けることである。医者はこれを助ける役目をするだけである。」といっており、紀元前から現代まで、病気に対する認識は変わっていないのです。

参考文献 噛み合わせが教える健康の秘訣 日本デンタルコンシェルジュ協会編集、佐伯健太郎代表執筆 メディアポート

2007年10月12日 (金)

口の役割

本日は、徳島大学歯学部で記念出版された「なるほど現代歯塾」からお届けいたします。

口の構造

一般に口と言われている部位は、解剖学的には口腔と呼ばれ、口唇の後方の空間とそれを囲む周囲の壁構造を指します。また、口腔の最後部を口峡(こうきょう)といいます。口を大きく開けたとき、口峡の後方に見えるのどは咽頭(いんとう)と呼ばれ、口から胃へ続く食物の通路と鼻から肺へ続く空気の通路が交差する場所になります。そのおかげで口で呼吸することが出来ます。人間にとって口の役割は「食」に関連するものと「呼吸」に関連するものと大きく2つに分けて考えることが出来ます。

食に関する役割

咀嚼とは、食物を良くかみ砕く事ですが、肉食動物のように、食物を食いちぎって飲み込むだけの食べ方と違って、咀嚼する間に食物が適度な大きさと軟らかさになり、唾液と混ざって飲み込みやすい状態になります。また、かみ砕く事によって、食物の味や食感を楽しむことが出来ますし、その間に食物に混入した異物や異常な味に気づいて、有害なものを飲み込む危険を避ける事もできます。

口の中に分泌される唾液には、消化や殺菌にほか、口腔内を緩衝(中和)し、洗浄することなどさまざまな作用があり、口の役割を助けています。のどでは食物と空気の通り道が交差するので、ものを飲み込むためには、空気の通路を閉鎖する必要がありますが、口の働きに異常があると、うまく閉鎖できずに食物が器官に入ったり鼻に逆流したりする危険があります。したがって、口が健康でないと健全な食生活を営むことができません。

呼吸に関する役割

普段は鼻で呼吸する人も、運動する時や深呼吸するときなど、大量の空気を出し入れする場合には口を使って呼吸します。ただし、日常的に口呼吸(こうこきゅう)すると、口が乾燥して口の健康のためには良くありません。

また、空気を吹きかける際には、鼻でなく口を使うことが多いと思います。しかし、人間にとってこのことは、コミュニケーションの手段として、別の大きな意味を持っています。

人間は、口で呼吸出来ることを利用して言葉を発します。動物も喉を使って鳴き声を出しますが、人間の様にそれを言葉として表現するためには、口の役割が重要になってきます。正しく発音するためには唇や口の形開き具合、舌の位置などを正しい状態にする必要があり、歯が揃っていることも肝心です。

また、顔の皮膚と骨の間には表情筋といわれる薄い筋が存在します。表情筋は、おもに口や目、鼻、耳などの周囲に存在することから、顔の穴の開閉と関わりが深く、正しい発音をするためには口の表情筋もうまく使いこなさなくてはなりません。

人間の場合、顔の皮膚が薄いこともあって、表情筋の細かい動きは文字通り顔の表情となって表れ、時にはしゃべらなくても相手に気持ちを伝えることが出来ます。

特に、口や目には表情筋が集中しており、口もとの表情は、相手に伝わる印象にも影響してきます。

人間にとって口は、補助的な呼吸器としてだけでなく、コミュニケーションの手段としても重要な役割を持っているので、口の働きに障害があると、意思疎通にも支障をきたすことになります。

口は消化器の一部でもあり補助的に呼吸器の一部でもあることから、口の役割として咀嚼器、味覚器、発音器、呼吸器などが上げられます。

ここでは、「食」と「呼吸」に関連づけて考えてみましたが、このほかにも健康の維持・増進、美容、スポーツなどと関連して考えれば、その役割は非常に多彩です。

そうした口の役割を考えると、考え方によってその数は多くもなり、少なくもなり、単純な数字で示せるものではないというのが結論です。

参考文献 なるほど現代歯塾 徳島大学歯学部著 医歯薬出版

2007年9月29日 (土)

一日の唾液の量は?

本日は、鶴見大学歯学部教授の斉藤一郎先生の著書の中からお届けいたします。

一日の唾液の量は?

おいしそうなご馳走を目の前にすると、よだれが出てくるといった経験は誰しも持っていると思います。たとえご馳走でなくても、私たち人間がモノを食べるときは大量の唾液が分泌されていますが、いったい一日にどれくらいの量の唾液が出ているかご存じでしょうか。

正解を教える前に、唾液について少々勉強しましょう。

唾液が出てくるのは、口の中にある唾液腺です。唾液腺には二種類あり、ひとつは大唾液腺、もう一つは小唾液腺と呼ばれています。

大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺の三つがあります。何かモノを食べるときや話をするときに大量に分泌される唾液の大部分が、唾液腺から出てくるのです。

中でも最も大きいのは耳下腺で、頬の皮膚のすぐ下、耳の下あたりにあります。ここで作られた唾液は管を通り、上あごの奥歯あたりにある粘膜にある開口部という穴から口の中に分泌されます。この唾液はサラサラしているのが特徴です。

舌先を上あごに付けると、舌の裏にあるヒモ状のものが舌の裏を引っ張ります。その下の方で盛り上がっているところ、下あごの骨の内側にあるのが顎下腺です。ここから出た唾液も、管を通って口の中に分泌されます。

舌下腺は大唾液腺の中でも最も小さいものです。顎下腺の開口部の近くに数十個に分かれて管があります。よく子供の口からピュッと唾液が飛び出したりしますが、そういうものはだいたい舌の下部から出てくるのです。

これに対して、小唾液腺は、唇の裏や頬の裏側など口の中の粘膜や、舌、上あごなどにあります。

口唇腺、頬腺、舌腺、口蓋腺と口の中はすべて唾液腺で覆われていて、薄い粘膜のすぐ下に唾液腺が全部ついているのです。

さて、冒頭の質問にお答えしましょう。

正解は一日1.5リットル。なんと500ミリリットル入りのペットボトル3本分にもなるのです。唾液が出てくる場所がこんなに数多くあると知ったら、一日に1.5リットルも分泌されるのも不思議ではないでしょう。

もっとも、人間は唾液の分泌量を自在にコントロールすることは出来ません。唾液は自立神経によって支配されているのです。緊張すると、唾液が出てこなくて口の中がカラカラになります。反対にマッサージなどを受けてリラックスしているときは、勝手によだれがたくさん出てきます。このようなことが起こるのは、唾液腺が交感神経と副交感神経から二重に支配さえrているためです。

緊張すると交感神経が優位になって、唾液がピタッと止まってしまいます。リラックスして副交感神経が優位になると、唾液は非常によく分泌されるのです。

しかも、交感神経による支配と副交感神経による支配が瞬時に入れ替わるのも、唾液腺の特徴です。「親しい仲間同士で和んでいるときに、強面の見知らぬ男性が入ってきたら、途端に喉がからからになってしまった」と言うことが起こるのは、こうした理由からです。

唾液腺は非常にデリケートな臓器と言えるでしょう。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す 斉藤一郎著 講談社

2007年9月26日 (水)

欠かせぬ自己管理

昨日の続きです。

本日も、「なくそう減らそう糖尿病 なくそう減らそう歯周病」シンポジウムのなかから、鴨井久一日本歯科大学名誉教授の基調講演をお送りいたします。

欠かせぬ自己管理

歯周病と糖尿病の間には、様々な相互作用があるはず。

まず、重度の歯周病になると、炎症がひどくなっているので、ブドウ糖の代謝障害が出てくる。また、歯周病菌からでる毒素が脂肪組織や筋肉などの中に入って損傷を与え、インスリンの効きが悪くなり、血糖コントロールが悪くなる。

一方、2型糖尿病の患者さんは食生活改善が必要なばあいが多く、合併症などによって体の中に慢性炎症を抱えている。

この場合、免疫機能が落ち、コラーゲンが主成分の歯肉の合成が阻害されると考えられる。

味は、歯を支えている所にある「歯根膜細胞」で感じている。肉をぐっとかんだ時に「ジューシーだ」と最初に感じるのは、歯根膜細胞のセンサーさが、歯周病によってそういう機能も悪化する。

歯周病と糖尿病の類似点の一つは、発症しやすい年代だ。慢性歯周炎は35歳ぐらいから増える。2型糖尿病も同様だ。毛細血管に異常が生じる点も似ている。また、糖尿病は食事、運動療法による生活習慣改善で血糖値をコントロールする。歯周病も同様で、歯を磨くという生活習慣によって予防する。

歯を磨くのは歯の汚れを取るだけでなく、感染源を除去するのが最大の目的で、プラーク(歯垢)コントロールと呼んでいる。

生涯コントロールし続けなければならないことも共通している。糖尿病は「しっかり治療しなければ、生涯治ったと同様な状態を保てる疾病」とされている。

定期的に医療機関へ行って、状態をチェックすることが非常に大事だ。

歯周病も「歯ブラシをかけたらちょっと血がでるけど、そんなに痛くないから」と放っておくのは良くない。3ヶ月に1回とか、半年に1回行って、歯肉の状態などをチェックする必要がある。

糖尿病も歯周病も、自己管理が欠かせない。病気になったら医者が治せ、歯医者が治せじゃだめだ。患者自身がどう意識を持って、自分の病気と闘っていくか、そして病気とうまくつきあって行くかと言うこを是非考えてほしい。

治療法のうち、プラークコントロールの基本は自助努力だ。家庭で誰でも出来る、歯ブラシという手段がある。自己流で磨く人もいるが、細菌がちゃんととれればそれでいい。一方、歯石は歯ブラシでは取れないので、歯科医院で取ってもらう。

また、歯周病の検査に唾液の中の細菌を調べる方法もある。歯科に抵抗のある人も、この方法なら受けてもらえるかもしれない。

歯周病菌をすべてなくすことは出来ないが、割合を少なくして、悪さをしないようにし、共存共栄することは出来る。是非、口の中にいい菌を増やしながら、健康で生きていってほしい。

古い映画で「明日ではおそすぎる」というせりふがあったが、歯周病対策についてはそういう意識をもって、自分自身で対処してほしい。

参考文献 毎日新聞 8月20日分

2007年9月25日 (火)

「口の機能」増進目指そう

本日は、毎日新聞8月20日に掲載された記事からです。

「なくそう減らそう糖尿病 なくそう減らそう歯周病」シンポジウムが7月22日に開かれました。その中で日本歯科医師会会長である大久保満男先生が言った事が記事になっています。

「口の機能」増進目指そう

歯の治療というと、口を大きく開けてキーンという嫌な音を聞き、痛い思いをするというイメージがあるだろう。これは歯科治療の一部にすぎない。

治療の本当の目的は、口の機能を維持、増進させることだ。

口の機能は食べることと会話することに大別されるが、どちらも人間が生きていく上で極めて大事だ。私たちは「食べるということは、単に動物のように栄養を取って生きているだけではなくて、人間の尊厳に関わる問題だ」と思っている。

高齢者の歯の治療のために、介護施設に通っている歯科医師が撮影したビデオ見た。ある高齢者は歯が1本もなく、いつも舌が前に出て、話すことも食べることも出来なかった。その人に20年ぶりにぐらいに上下の総入れ歯をいれてあげると、食べられるようになって表情が変わった。食事による栄養以上に、「食べる」という行為がその人の精神、生きる力を支えていた。

別の歯科医師は、どうしても最後に何か食べたいという高齢者に入れ歯をいれた。その人はブドウ1粒をかみ、「おいしい」といって1ヶ月後に静かに亡くなった。歯科医療は胎児の時から、人生最後の食事までを支える行為と言える。

高齢になっても歯がたくさん残っていて、自分の好きなものを好きなように食べられることが重要だ。私たちは89年から、80歳で自分の歯を20本持っていることを目指す「8020運動」を展開している。

当初は80歳以上では平均4本半しかなかったが、現在は約12本まで増え、80本で20本の歯を持っている人の比率は20%を越えた。近年若い人の虫歯がだんだん減り、歯を失う原因として歯周病が重視されている。歯周病は特に、糖尿病との関連が大きくクローズアップsれている。

私たちが日々患者さんを診てると、歯周病で、糖尿病にかかっている人が多い。糖尿病の悪化と共に歯周病がひどくなる人もいる。

最近研究が進み、歯周病をきちんとコントロールされ、歯周病と糖尿病もコントロールされ、歯周病と糖尿病が相互に関連しあっていることが分かってきた。今回のシンポジウムで、どうすれば両方の病気を予防し、きちんと食べて自分の人生を快適に過ごすことが出来るかを聞いていってほしい。

明日は、シンポジウムの基調講演 鴨井先生のお話をお送りいたします。

2007年9月22日 (土)

無理矢理生えてくる親知らず

本日は、日本デンタルコンシェルジュ協会佐伯健太郎さんの著書からお届けいたします。

無理矢理生えてくる親知らず

1人ひとりの顔や性格が違うように歯並びにも個性があり、時には歯の噛み合わせにも影響を与えます。

その代表的なものが「親知らず」です。

親知らずは元々あるべき歯の数には入っていないため、口の中に生えてくる場所が用意されていません。そのため、無理矢理横向きや斜めに生えてきて他の歯を圧迫するため、歯列を乱して噛み合わせを悪くしてしまうのです。また歯の一部だけが出ている場合が多いため、周りの歯肉は炎症を起こしやすく虫歯にもなりやすいという特徴もあります。

もともと親知らずには食べ物をすりつぶす役目があったのですが、人間が柔らかい食べ物を食べるようになったために必要が無くなってしまいました。そのため、この歯が4本ともきちんと生えている人は少なく、横向きや斜めになった親知らずが顔を出さず、歯肉の中に完全にもぐったままの人も少なくありません。

親知らずはもぐったままで成長します。前方に成長した場合、その力は前歯の歯列を乱す原因となります。

また、下顎の骨が成長を邪魔する場合は後ろに成長し、鼻腔に入ってしまいます。その時の力が顎関節症を引き起こすことが多いのです。

参考文献 噛み合わせが教える健康の秘訣 日本デンタルコンシェルジュ協会 佐伯健太郎著 メディアポート

2007年9月13日 (木)

のどちんこの役割って

本日は、松矢篤三・古郷幹彦両先生の著書「のどちんこの話」からお届けいたします。

「のどちんこ」はなぜあるのか?

人体では「のどちんこ」そのものにはあまり重要な役割はないようです。形態・大きさが様々がさまざまでも、また、なくてもそれによる障害がみられないことから、このように考えてもいいでしょう。

しかし、それでは「のどちんこ」があまりに可哀想なので、その存在価値を論ってみましょう。

「のどちんこ」とは、軟口蓋の先端についた突起です。口蓋垂筋といわれる小さな筋肉が上下に走っており、この筋肉の収縮によって「のどちんこ」は短くなり、弛緩して長くなります。

「あー」と音声を出した時には真ん中でぶらぶらしていますが、口から強く息を吸うときには短く緊張しています。

口から息を吸うときに短くなって口峡を広め、吸気抵抗を減じているのは合目的的で理解できますが、「のどちんこ」がなければ、そのぶんもっと抵抗が少ないはずなので、積極的な「のどちんこ」の存在理由になりません。

「あー」と音声を出すときにぶらぶらして、ときに共振することで音声に変化を与え声音に変化を与え音声の個性をつくっていることがあるかもしれませんが、必然性にある行為とも思えません。

「のどちんこ」に分布する知覚神経は三叉神経咽頭枝で、三叉神経・迷走神経・舌咽神経などが分布する周囲組織と同様に嚥下の誘発点(食塊が触れると嚥下反射を誘発する点)となっていることは理解できますが、「のどちんこ」が嚥下のための特別な受容器ではありません。

一方、「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群」の項で述べていますように、いびきや呼吸閉塞の原因のひとつとなっています。

このように「のどちんこ」はポジティブな面で存在しなければならない理由がみつからないのです。

四足歩行哺乳類では「のどちんこ」は咽頭蓋と重なっています。また咽頭はひとに比して高位にあります。このため咀嚼の最中に触感が咽頭口に吸い込まれないように、あるいは食塊やミルクなどの流動物が直接咽頭口に運ばれないように、口腔や食塊や流動物を「のどちんこ」で左右に分離し、そのうえで左右の梨状陥凹に導いていると理解するのが正しいのかもしれません。

人では「のどちんこ」と咽頭蓋が離れており、舌と軟口蓋の進化の過程ではきわめて重要な意義のあった器官なのかもしれません。名誉教授のようなものでしょうか。

参考文献 のどちんこの話 松矢篤三・古郷幹彦共著 医歯薬出版

2007年9月 8日 (土)

噛み合わせによる不定愁訴

本日は、日本デンタルコンシェルジュ協会 佐伯健太郎先生の著書からお届けいたします。

噛み合わせの異常から不定愁訴が起きている

内科に外科、皮膚科、耳鼻咽頭科、婦人科、泌尿器科・・・・・。身体の不調を訴えて、毎日多くの人が病院を訪れます。中高年にもなると誰でもひとつやふたつ持病を抱えており、3人あつまれば病気自慢が始まる事も少なくありません。

血圧が高ければ高血圧、胃に潰瘍があれば胃潰瘍、血液検査の結果から肝臓の疾患が分かったり、心電図から心臓の病気が見つかったりしますが、これらの病気の原因はある程度はっきりしています。

中には、治療の難しいものもありますが、ほとんどの病気にはそれに見合った治療法があり、症状を緩和する方法があります。

一方で、どこといって悪いところも見あたらないのに、何となく身体がだるい、体調が良くないという人も多くいます。あちこちの医療機関を回って検査を受けてもなんの異常も見つからない。本人はとても辛いのに医者からは気のせいだと言われてしまう。そのような病名のつかない症状は、一般に不定愁訴と呼ばれます。

頭痛や腰痛、便秘や手足のしびれなど、不定愁訴は日常生活にあまり支障のないものから動けなくなるほどの重度のものまで数多くあります。

しかし、、多くの人が慢性的に苦しんでいるにもかかわらず、「誰にでもあること」「しばらく我慢すればおさまる」と考え、長年放置している場合がほとんどです。

このような不定愁訴と呼ばれる症状の原因は、意外なことにあなたの口の中にあるのかもしれません。

あなたの噛み合わせは正常ですか?

噛み合わせのほんの小さな不具合は身体のあらゆる場所に悪影響を与え、驚くほど様々な全身の症状となって現れます。

そしてこれらの不定愁訴をそのままにしておくと、一生つきあうことにもなりかねない慢性病の原因となる可能性もあるのです。

参考文献 元気で生きるために 噛み合わせが教える健康の秘訣  日本デンタルコンシェルジュ協会 佐伯健太郎

2007年9月 1日 (土)

大人の歯ぎしり

本日は、福島県歯科医師会が発行している「歯っぴいライフ・歯っぴいトーク vol2」よりお届けいたします。

大人のはぎしり-歯や組織にダメージ-

「乳歯が生えてきた頃に子供がよく歯ぎしりをするのですが、大丈夫でしょうか」というご相談を受けることがありますが、それによって、乳歯のかみ合わせが良くなる場合があるので心配ありません。

しかし、大人の歯ぎしりは危険です。眠っている間の歯ぎしりや、緊張してるときの歯のかみ締めは、ほとんどの人に見られますが、本人が自覚していない場合が多く、特別な精神的ストレスや緊張のために、その頻度や程度がひどくなるといわれています。

これらは無意識の癖であり、この癖のときには、思いっきり強い力でかみ続けた時の何倍もの強い力が歯にかかります。この力の結果、歯やその周りの組織がさまざまなダメージを受けます。たとえば、

  • 歯の咬耗
  • 知覚過敏
  • 歯質の破壊(代表的なものとしては根元の歯質がくさび状に欠損する)
  • 歯の破折
  • 歯根吸収

などです。

さらに細菌のかたまりからできたプラークが溜まって歯肉に炎症が起こっている時は危険です。歯ぎしりと歯肉の炎症が一緒になると、歯を支えている周りの組織破壊が急速に進み、歯をだめにしてしまうのです。特に、歯並びの悪い人、歯が抜けてそのままに放置している人は、より破壊されやすくなります。

歯にたいする影響のみならず、咀嚼筋などの顔面の筋肉や、頭を支える首や肩の筋肉に痛みが出ることもすくなくありません。さらに顎の関節に問題を起こす場合もあります。

2007年7月 9日 (月)

スナック菓子やインスタント食品を良く食べる子ども達

本日は、西岡一さんの著書「噛めば体が強くなる」からお届けいたします。

スナック菓子やインスタント食品を良く食べる子ども達

若者や子ども達の食生活の乱れが指摘されて久しいです。学校の帰り道などで、コンビニにたむろし、スナック菓子などを買い求めている姿を見ても、その乱れはかなり深刻なようです。

1963年に創立され、消費者教育や暮らしの調査研究を行ってきたベターホーム協会は、1998年(平成10年)、中学校の先生を対象に、男女の食生活の調査をしました。その結果は次の様に寒心に堪えないものでした。

  1. 家庭で料理や片づけを手伝うことがない。78.8%
  2. 朝食を食べてこない。75.7%
  3. 家族そろって食事しないので、家庭の団らんがない。72.7%
  4. 清涼飲料水やスナック菓子、インスタント食品を良く食べる。69.7%
  5. 食べ物を大切にしない。48.5%
  6. 夕食をコンビニやファストフードですましてしまう。36.4%
  7. 一日3回食事するという習慣が薄れている。36.4%
  8. 栄養のバランスの取り方について知識がない。30.3%
  9. 食事らしい食事は給食だけ。21.2%

私はこの報告を見て、鳥肌が立つほど驚きました。そしてすぐに思ったのは、一体、親はこの子ども達にどのように接しているのだろうか、ということでした。

親は子ども達のこのような食の状況を当然しっているはずです。それどころか、親が子ども達をこのように育ててきたのではないのだろうか。

親が子どもの頃、待ちはコンビニやファストフードはまず有りませんでした。しかし、今や、これらは至る所にあり、食べ物にあふれています。働く母親が増えた結果、子ども達のこのような食の状況に親は目をつむってしらないふりをしているのであろうか?

最近、子どもが身の毛もよだつような恐ろしい犯罪を犯し、私たちを驚愕させる事件が続いています。この傾向はまだまだ増えるように思われます。また、すぐ切れるような、辛抱出来ない子ども達も増えているようです。このような子どもによる凶悪な犯罪が起きるたびに、テレビのワイドショウなどで、犯罪心理学の専門家が様々なコメントをしています。

私には、この大きな社会問題の背景に、現在の子ども達が食べているものや、その食べ方など、子どもたちの食生活の乱れが関わっているのではないかと思えてならないのです。

子ども達のこうした状況と、この本で私が訴えたい、よく噛むことの重要性の間のギャップはあまりにも大きいが、私は諦めてはいません。

参考文献 「噛めば体が強くなる」 著者西岡一 草思社

2007年7月 2日 (月)

親から子へ伝えていくもの

本日は、鶴見大学歯学部 斉藤一郎先生の新刊「現代病 ドライマウスを治す」からお届けいたします。

「噛みごたえ度」分類

日本人が1日の食事中に噛む回数は、戦前は1400回くらいで、現代は600回に激減したといわれます。

ちなみに弥生時代の人たちは、食事の内容から1日4000回も噛んでいたと推測されます。現代の食環境、軟らかい食べ物が中心となっていることを考えれば致し方ないでしょう。

それにしても、現代人は噛む回数が極端に減っていることは間違いありません。

また、1日のうちで食事にかける時間も昔は長かったのですが、現在は30分を切ったといわれています。

1日3食として、1回の食事に平均で10分もかけないというのが当たり前になってきたのです。

実際、朝食を5分で済ますという人も少なくありません。食事にかける時間が短くなったわけですから、咀嚼回数が減るのも当然なわけです。

言わずもがなですが、噛む行為は食事と密接に関係しています。食事は人間が生きる上で欠かすことの出来ないものですが、単に栄養のある食べ物を体の中に取り込めばそれでいいとうものではありません。

肝心なのは、食べ物を口の中に入れてもすぐに飲み干したりせずに、まずはしっかりと咀嚼すること、よく噛むことなのです。

何かと忙しい時代ですから、ゆっくり噛んで食べている時間はないという人もいるかもしれません。しかし、

「噛まない人ほどぼけやすい」

「噛まない人ほど老けやすい」

「噛まない人ほど病気になりやすい」

と言われても、平気でいられますか。ちょっとドキッとした人もいるのではないでしょうか。

「噛むというのはそんなに大事なことなのか?」

そういう疑問を抱く人もいると思いますが、答えは「イエス!」です。良く噛む人ほどぼけにくく、老けにくく、病気になりにくいのです。

子どもの頃に、親から「もっとしっかり噛んで噛みなさい」と注意されたことがある人も多いと思いますが、この言葉には「健康で元気に育って欲しい」という願いが込められていたはずです。よく噛むことが健康とどのような関係にあるかは、親自身も詳しく知っていたわけではないと思います。

しかし、古くから現在に至るまで親から子へと脈々と受け継がれてきた生活の知恵のようなものが、この言葉に集約されていると考えて良いでしょう。自分自身はもとより、子どもや孫も健康で長生き出来るように、いつまでも若さを保っていられるように、そして幸せに暮らしていけるように、「しっかり噛みなさい」と伝えて行くことが大切だと思うのです。

現代は、美食がもてはやされている時代です。美味しいものを食べること自体は悪いことだとは思いませんが、テレビや雑誌などを見ると、「とろけるようなおいしさ」「やわらかくておいしい」「ふんわり感がたまらない」といった、良く噛まなくてもすむものを高く評価するコメントが多いように思います。

反対に、しっかり噛まないと飲みくださないような食べ物は美食家には敬遠は美食家には敬遠される時代なのかもしれません。

こんな風潮に踊らされていると、健康も若さも、知らず知らずのうちに私たち日本人から遠ざかっていくような事にもなりかねかねません。

最近は、「栄養のあるものを」「新鮮なものを」「添加物の少ないもの」と食べ物に気をつかう主婦が多くなっています。家族の健康を考えて食べ物に注意を払うのは喜ばしいことですが、「なにを食べるか」だけでなく、「どのように食べるか」(つまり、しっかり噛んで食べること)にも注意を払って頂きたいと思っています。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す 斉藤一郎著 講談社

2007年6月15日 (金)

ビタミンによる口腔前癌病変発症の抑制効果

本日のトピックはデンタルトリビューン紙からのお届けいたします。

(米国)特定のビタミンを摂取することによって、口腔前癌病変の発症のリスクを軽減出来ることが最新の研究より明らかになりました。

New England Resarch Institutes(マサチューセッツ州ウォータータウン)の研究員Nancy Nairi Maserejian氏は、ハーバード大学(マサチューセッツ州ボストン)の研究員らとの共同研究を行い、4万2,340人の男性を対象にカロテノイドおよびビタミンC、E、Aの摂取量と口腔前癌病変の発症率の関連についての追跡調査を行いました。

被験者に対しては、2~4年ごとに食生活とビタミンを含有するサプリメントの摂取状況についての調査をおこないました。

調査の結果、1986~2002年の間に白板症などの口腔前癌病変の発症が207例認められました。

ビタミンEは口腔前癌病変の発症リスクを高める傾向にあり、それは特に喫煙者およびビタミンEサプリメント摂取者で顕著でした。βカロテンも喫煙者で発症リスクを上昇させたが、ビタミンCをサプリメントでなはなく、食物由来で摂取していた被験者では発症リスクは低減していました。

前癌病変の発症傾向は、ビタミンC,ビタミンAおよびカロテノイドの摂取量とか関係がありませんでしたが、ビタミンCを豊富に含有する食物を摂取することが前癌病変発症リスクを大きく低減することがわかりました。

通常の食物を介してビタミンCを最も多量に摂取していた被験者は、摂取が最も少なかった被験者に比べて、前癌病変発症リスクが50%も低い結果になりました。それに対して、βカロテン、リコペン(リコピン)、ルテイン/ゼアキサチンは、発症リスクに何ら影響しないことも明らかになりました。

なお、ビタミンEおよびβカロテン摂取が喫煙者においてリスクを高めたことについては、今後さらなる研究が必要です。

同氏らは、「ビタミンCや他の栄養素を豊富に含む食物を摂取することは、我々の健康を助けるものであります」と話していますが、そうした働きを担っているのがビタミンCであるのか他の栄養素であるのかは分かってはいません。

2007年5月27日 (日)

Yahoo!ニュースから!

Yahoo!ニュースにこんな記事が載っていました。

以下全文です。

2007年5月23日、FDA(アメリカ食品医薬品局)は中国産の練り歯磨きからジエチレングリコールが発見されたとして、全面的な調査を開始した。報道を受け、中国でも各地の練り歯磨き工場での立ち入り検査が行われているもよう。

今回きっかけとなったのは、パナマで中国産練り歯磨きから致死量のジエチレングリコールが発見されたこと。製造元の江蘇省丹陽市の成事家化有限公司は輸出専門の練り歯磨き製造業者。会社は中国では練り歯磨きに少量のジエチレングリコールを使用することは合法であり、安全だとコメントしている。

ジエチレングリコールは腎臓や中枢神経に悪影響を及ぼす有毒物質で、過去多くの死亡事故が起きている。安価な甘味料・保湿剤として使用されるケースが多い。先日も中国企業が輸出したジエチレングリコールを原料とした咳止め薬が原因で、数百名の死傷者が出たばかり。現在、中国ではジエチレングリコールを規制する法律がなく、企業の自主判断に任されているという。世界各地で中国発ジエチレングリコールの健康被害が広がる中、早急な対策が望まれる。(翻訳/編集・KT)

中国は、こうした事件が多いですね。非常に繊細で優れた人々も多く排出していますが、少しアバウトな人格の人も多いのかもしれません。

我々も、購入する際は気を付けなければいけませんね。

2007年5月23日 (水)

のど飴症候群

1日に人間は、どのくらいの唾液が出ているのでしょうか。

だいたい、大人で1日に1~1.5リットルもの量の唾液が出ているのです。かなりの量です。

しかもこれは、健康な人が1日に出す尿の量とほとんど同じです。

もちろん、1日の間に徐々に出てくる量ですし、人種や個人差によっても異なります。

また、同じ人間でも気持ちの変化や自律神経の働きで変わります。酸っぱいものを見たり、食べたりすれば、一度にたくさん出る事もあります。

チューイングガムを噛むと10倍くらいの量に増加するようです。

それではもし唾液が出なくなったらどうなるでしょうか?

まず、口の中が乾燥して舌が動かなくなります。こうすると、話すことは出来ません。次に、食事も取れなくなるでしょう。さらには、口の中の匂いがきつくなり、ひどい口臭に自分も周囲の人も悩まされます。やがて口の中はひからび、カビだらけになってしまうのです。

なお、口の中の唾液が少なくなると、歯と歯の間の隣接面が乾燥し、虫歯も発生しやすくなります。

以前、唾液の働きをこのブログで書きましたが、常に口の中を潤してくれる唾液があるからこそ、私たちは高いQOL(生活の質)を保つ事が出来るのです。

ところがです、現在、国民の4人に1人が「のど飴症候群」で悩んでいるという報告があります。のど飴症候群というのは口の中の乾燥症のことで、唾液が無いためにいつもあめ玉を口にしていないといられないという状況の事です。

高齢者では40%の人が、口の乾燥を訴えているといいます。

唾液は、口の中にある唾液腺から湧き出ます。この唾液腺は15歳くらいまでは発達するものの、その後20歳を越えると老化現象が見られ、唾液の量もすくなくなってくるようです。

ですから、加齢によって、「のど飴症候群」になる方も増えてくるわけです。

やはり、「唾液の多さ」は「若さの象徴」といってよいでしょう。

参考文献 唾液はなんでも知っている! 岡澤美江子/伊藤実喜監修 宮西ナオ子著 三五館

2007年5月20日 (日)

消化は口から始まっている

本日は、宮田隆先生の著書「老けない人は歯がちがう」からお届けいたします。

「歯はなんのためにあるのか」といえば当然、食べ物を噛み砕くためにあります。

食べ物の存在は本来体にとって“異物”となります。人間の体には、自分の体の構成要素でないものが侵入してくると、これを異物とみなして攻撃する防衛機能が備わっています。

そこで、消化器官は、唾液や胃液、胆汁などに含まれる消化酵素で食べ物を分解することで、食物という異物がもっている抗原性(アレルギー反応などを起こさせる性質)をなくして、「栄養素」という生きていくうえで不可欠の物質へと変えていくのです。

「歯を一生守る」必要があるのは、まさにこのためです。歯を守ることは、生命を守ることに直結しているからです。

毎日、食事のたびにいちいち歯を磨いたり、免疫力を高めて歯周病や虫歯にかからないように努めるのは、すべて咀嚼のためです。より高いレベルで健康を維持して、若さを保ちたければ、しっかり咀嚼する(=栄養を取り入れる)ことが肝要なのです。

咀嚼の役割は、ただ飲み込みやすいように小さく砕くだけではありません。それと同じくらい大切な働きとして、唾液と食べ物をよく混ぜ合わせ、食べ物に化学反応を起こさせる役割があります。

その意味では、歯は、胃や腸と連なる消化器官の一部なのです。

味覚や咀嚼運動が合図となって、舌下腺、顎下腺、耳下腺といった唾液腺から唾液がでています。この唾液が食べ物と混ざると、消化がスタートします。

米などを食べているときに分泌される唾液には、α-アミラーゼという消化酵素が含まれており、炭水化物を麦芽糖に分解して、胃腸で吸収されやすい形に変える働きがあります。

米をはじめとする炭水化物が噛めば噛むほどうまくなると言われるのは、口の中で、炭水化物が糖に変わるためです。

食事中や空腹時に出される唾液は、通常よりネバネバとしています。これはムチンという粘度のある成分が多く含まれるためです。

ときとして食べ物には、辛み、苦み、熱さ、冷たさなど、さまざまな刺激があります。胃や食道の粘膜はデリケートなので、これらの刺激が繰り返されると、組織が傷ついて潰瘍などの原因となることもあります。

ムチンは、食べ物をオブラートのように包むことで、食べ物が胃や粘膜に刺激を与えるのを防ぎ、飲み込み動作をスムーズにさせる役割があるのです。

辛いものや苦いもの、すっぱいものは、思わず素早く飲み込んでしまいがちですが、良く噛んで、唾液と絡ませれば、胃腸の粘膜が荒れるのを防ぐことが出来ます。さらに、唾液には、食品中の発ガン性物質や細菌を抑制する働きも備わっています。

よく噛めば、体に有効な栄養素をより吸収しやすくして、体に有害な物質はぐんと減らすことができます。同じ食べ物をとるのでも、よく噛んだ人と、噛まない人では、からだに取り込まれる成分がまるで違ってくるのです。

唾液による消化は、胃に移ってからも20~30分間にわたり続いています。つまり、咀嚼が不十分で唾液が食べ物によくからんでいなければ、それだけで胃腸の仕事を増やして、負担をかけることになります。

咀嚼という消化の第一段階でのつまずきは、消化活動に最後まで影響を与えます。十分に咀嚼されていない食べ物の成分は、小腸での吸収率が低下するともいわれています。

健康のために、どんな食べ物を選び取るかも大切ですが、体にどう効率的に取り込ませるかも同じくらい重要なことなのです。

その鍵は、歯によって行われる咀嚼にかかっています。

参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社

2007年4月30日 (月)

加齢~歯周病のリスク②~

本日は、志賀先生の著書「歯周病の予防と治療法」からお届けいたします。

歯周病は歳を取るとかかりやすくなるものなのでしょうか?答えはイエスです。

では、歯周病のすべての原因は老化でしょうか?答えはノーです。

歯周病は若い頃からきちんとブラッシングと歯科医の定期管理を受けていれば、発症しにくく、場合によってはかなりの本数の歯を残すことが可能です。

歯周病は「沈黙の病気」といわれています。何十年という時間をかけてゆっくりと進行していき、高齢で体の免疫が弱まってくると一気に症状を悪化させ歯肉を腫らし歯を脱落させるのです。

したがって、老化は歯周病のリスクの一つであってもすべての原因ではありません。歯周病の原因は細菌の感染です。

しかし、細菌に感染すれば、誰もが同じ経過、状態で歯周病が進行していくというわけではありません。歯周病の症状の変化や、進行状況には老化以外にも様々なリスク